開催した講座の様子

令和7年度 4月 5月

D10 今日から始めるいじめ対策研修講座

 5月16日(金)標記講座を開催しました。受講者は小学校8名、中学校6名、高等学校8名、特別支援学校8名、聴講者6名、合計36名でした。

 午前の講義は、はじめに「いじめについての認識と理解」と題し、県教育庁学校教育課の斗沢慎一郎指導主事による講義を行いました。

 次に「いじめの理解といじめ防止のための取組~いじめ問題の現状と課題~」というテーマで、上越教育大学大学院の高橋知己教授が講義・演習を行いました。さらに、午後も「いじめの理解といじめ防止のための取組~未然防止・早期発見の方法、アンケートの工夫~」というテーマでの高橋教授の講義・演習が行われました。            

 講義では、高橋教授がこれまで関わった様々ないじめ案件や重大事案の実際について、多くの事案の第三者委員を務めた経験から言える現場の先生方の取るべき対応や準備すべき資料、心構え、校内組織体制の在り方等を力強くご講義下さり大変多くの知識、手立てや考え方等を学ぶことができました。また、いじめと不登校は切り離せない問題として、これまでの膨大なアンケート調査の分析を通して明らかになった様々な実態、諸課題についてもお聞かせくださいました。

【研修の様子】 

    

【受講者の感想から】

・いじめ対応は、家族への対応の仕方や平時の子供の異変を察知することなど、とにかく初動がポイントだということを学びました。まず、「イライラ感を起こさせない」ために、子供たちが楽しいと感じる授業を積み重ねたり、イライラの発散の仕方を教えたりすることに努めたいです。

・今回、高橋知己先生の講義でアンケートの項目や回答からの分析を聞き、児童のどのような言動にアンテナを張って観察する必要があるのか、学ぶことができました。また、いじめが起こったときの学校としての判断や考え方も大変勉強になりました。

・高橋先生が作られたアンケートについて、質問項目に「自己肯定感」「不安感や不満」「抱えている悩み」「家庭での様子」「担任や友人との関係性」が顕著に表れる他、不登校リスクも見ることができるとお聞きし、大変有効だなと感じました。

・いじめや不登校を未然に防ぐために、生徒が安心して生活できるような学級経営や生徒が楽しく学ぶことができるような教科指導が必要であると感じました。そして、生徒一人一人の個性を認め生かすことが魅力ある学校づくりに繋がるのだと考えます。そのために私たち教員も学び続け、自分の感覚を常にアップデートしていかなければならないことを改めて実感しました。

・高橋先生の講義にもあった学校現場への警察や第三者の介入を積極的に行うべきとの内容は、今までのできるだけ学校内で処理するのが教育的配慮であるとの考えを改める機会となりました。管理職向けの研修でも同様の内容をお話しいただけると現場としてもやりやすくなると考えます。

・事例を交えながら学校としての対応の仕方を教えていただき、どのようなケースを「重大事態」と認定するのかをじっくり考えることができました。「未然防止」の重要性、いじめアンケートなどの保管の意義、場合によっては警察等関係機関との連携をためらわないこと、いじめが繰り返されるようなら学校を休むという選択肢もあることなど、学校としての動きも学ぶことができました。