2021/05/11 | 小学校初任者研修開講式 | | by サイト管理者 |
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5月11日に初任者研修(小学校)学級経営基礎講座Ⅰが開講しました。県内の小学校に採用された初任者(中核市を除く)が一堂に集まる初の研修でした。研修に先立ちまして、私からは次の4点を9枚のスライドを用いて伝えたところです。
1点目は「謙虚」さと「独善」との関係です。これはすべての校種の初回でお話しているのですが、何に対して謙虚であるのか。それは学問に対する謙虚さであり、子どもに対する謙虚さであること。その一方で、先生という仕事は、ある意味において常に独善に陥りやすい面もあるということを心に留めておいて欲しいことを伝えました。時が経過して慣れてきたかなと思った頃に、自分を振り返り、あるいは時代の流れをつかみ、何かに気づける先生であって欲しいと願っています。
2点目は5月5日の日本経済新聞に掲載された埼玉県の小学校6年生柴田亮君の「カブトムシ「夜行性」覆す」の記事を紹介し、「未来につながる学力」として、こどもの不思議に思う気持ちを探究心へと発展させている好事例を取り上げました。今回、この研究はアメリカの生態学専門誌「エコロジー」に掲載されることになりましたが、(詳細は山口大学のプレスリリースを参照ください。)新聞記事の中で山口大学の小島講師の「私はアドバイスと翻訳をした程度でほとんどが柴田さんの主体の研究。完成度はかなり高い」という言葉が印象的です。先生が小さな研究者に対して、その人格と学問に対して謙虚な言葉で説明している点に好感を持ちました。そこには子どもが主体的であることと両者の対話的な関係が学びを深化させている様子がよく伝わってきます。
3点目ですが、これも全校種に共通しているのですが、「子ども」というドロシー・ロー・ノルトの詩を紹介したところです。特にステージ上から見ていて先生方の反応が大きかった最後のフレーズの「可愛がられ抱きしめられた子どもは世界中の愛情を感じとることができる」を今一度掲載しておきたいと思います。
結びに、種差海岸から太平洋を臨む画像とともに、斎藤喜博氏の「子どもは未来そのもの」という言葉を紹介しました。まずはこの1年、健康に留意されて目の前の子どもに最善を尽くしていただきたいと願っております。