9月30日(火)、標記講座を開催し、県内各地の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の32名の先生方が受講しました。講師には筑波大学の京免徹雄先生をお招きし、キャリア教育の在り方やキャリアパスポートの活用方法などについてご講義いただきました。また、講義を踏まえて、他校種の先生方と情報交換をしながら協議を行い、「縦の連携」を意識したキャリア教育の推進に向けて見通しを持つことができた様子でした。
【講座の内容】
講義「ウェルビーイングに向けた『ともに歩む』キャリア教育」
講師 筑波大学 准教授 京免 徹雄 氏
演習・協議「キャリア教育への取組」
【受講者の感想】
○今までの教育活動を振り返ると、キャリア教育を意識する場面はあまりなかったように思うが、講義を受ける中で、各教科の学びを繋げることや、教科と実生活を繋げること、またウェルビーイングのある学級経営等、日常の中で意識できることがたくさんあることに気付くことができた。また、キャリアパスポートは使い方次第でもっと有意義に活用できることもわかったので、今後の実践に生かしていきたい。
○子どもたちの将来にとって「キャリア教育」はとても大切だと思い、今までも様々な実践を積み重ねてきました。ただ、今回の講義を拝聴し、どういったキャリア教育を進めていけばいいのか、方向性が明確になった気がします。他者との関係と対話が未来志向を促進することや、学級のウェルビーイングを向上させることが個人のウェルビーイングの向上につながること、そして「語らせ、つなぎ、価値付け」を繰り返しながら対話や振り返りを続けることが大切だということなど、とても勉強になることばかりでした。今後の実践に活かしていきたいと思います。
○学校にキャリア教育全体計画があるものの、これまでしっかり読む時間がなかったので、今回の研修を通してその重要性を再認識した。そして、各教科の確かな学力も大事だが、生きていくための本当に必要な知識、学びを実生活につなげるのがキャリア教育の視点を持つことだと分かった。また、キャリア教育という漠然としたイメージに固執して、進路や就労に偏りすぎていたことに気付いた。普段の会話から毎日の授業、学校行事などその場その瞬間にキャリア教育は可能であり、生徒との対話から正しい意味付けやよりよい価値付けをしてあげることが大事であり、人生の物語の主人公は生徒自身であることを伝え、共に過ごす時間の伴走者になっていきたいと思った。
○子ども達と将来について考えるときに、どうしても現実的な部分や今の能力との比較をしてしまうことが多くあった。今回、京免先生の、「現実と折り合いをつけながら、進路探索を繰り返すことを経験した方が自分の進路を深く考えることができる」というお話を聞いて、日々の子どもたちとの会話の中で答えがでない、悩んでいる状態は悪いことではないのだと思うことができた。また、「困った友達を助けよう」、「励まそう」、「自分のことだけではなく相手のことを思って行動しよう」と日々子どもたちに伝えていることが、「自分の幸せだけでなく他の人、周囲の人の幸せあってこそのウェルビーイング」という考え方につながるのだと感じた。