開催した講座の様子

令和7年度 6月

C12 中学校数学科教育講座

6月30日(月)標記講座を開催し、9名の先生方が受講されました。

午前は、青森県の課題をもとにして、問題発見・解決の過程を重視した授業作りについて講義・演習を行いました。午後は、弘前大学の田中義久教授に「数学的な見方・考え方を働かせる授業」について講義・演習を行っていただきました。演習を通して様々な課題や題材に取り組み、数学的な資質や能力、見方や考え方について学びを深める充実した時間となりました。

【講座の内容】

・講義・演習 問題発見・解決の過程を重視した学習の授業改善                                 

        青森県総合学校教育センター 指導主事 石塚 香織

・講義・演習 数学的な見方・考え方を働かせる授業

        弘前大学教育学部 教授 田中 義久      

    

                      

【受講者からの感想】

・様々な課題や事象について、自分なりに「推測」し、「命題を生成」し、それを検証(「証明」)することが、主体的な学びにつながっていくということを実感しました。日々の実践の中で、そういった場面をできるだけ多く取り入れていきたいと思います。

・体験的な活動から子どもたちの理解に繋げることが重要だと再確認することができました。実際に手を動かしながら、規則性を見出したり、葛藤したりする場面から全体指導に繋げ、数学的な見方考え方を深めていくことの必要性を学ぶことができました。導入やアイデアをたくさん出すことに意識が向いてしまい、比較検討場面での深まりまで意識しながら授業できていなかったため、授業作りから見直していきたいと思いました。

・最近の自分の授業を振り返ったときに、知識インプット型の授業になりがちでした。題材を工夫して生徒の意欲をいかに引き出すか、比較検討場面を工夫してより良い表現や解き方を考えさせるかなどを今一度見つめ直す必要があると感じました。

C40保健授業づくり研修講座

6月30日(月)に、鎌倉女子大学の藤原昌太先生を講師にお迎えし、C40保健授業づくり研修講座を開催しました。藤原先生には、保健の授業づくりについて、豊富な実践事例を基に、講義、演習をしていただきました。また、演習では、小中高それぞれの段階に応じた授業づくりが行われ、皆さん意欲的に取り組んでいました。
【研修内容】
 1 保健における課題と工夫
 2 講義、講義・演習「健康課題を解決する資質・能力を育む保健の授業づくり」
            (講師) 鎌倉女子大学 講師 藤原 昌太 氏

・保健の授業を大切だと思ってくれている生徒は多くいるが、それに見合った授業がなされていないことを痛感した。知識を詰め込むのではなく、なぜその知識が必要なのか、どのように活かすべきかを伝えられるような授業を展開していきたいと思った。グループ討論や体験、他者に伝える活動を授業内に多く取り入れていきたい。そのために、教員側が多くのことを多角的な視点から思考し材料を探していかなければならないと実感した。

・「覚える」ことよりも「分かる」ことの大切さや、物事を科学的に理解することの大切さ、生徒が分かりやすく、興味をもつことができるような教材づくりについて学ぶことができた。教師が生徒に教えるだけでなく、生徒が自分の考えを作ったり、問題提起と解決の主体となれるような授業づくりを目指した授業づくりが大切であることを学んだ。

・今後の授業では、より生徒同士のやり取りが活発になるための工夫(自由に話してよい場面の設定や、他の生徒の感想がすぐに見られるようにする工夫)をし、最後に振り返りをしっかり行うことで、生徒の学びに向かう姿勢や目に見える部分だけでない所を見ることができるようにしていきたい。

D32 はじめての ロイロノート・スクール

 6月20日(金)標記講座を開催しました。小学校1名、中学校3名、高等学校2名、特別支援学校1名の計7名の先生方が受講され、クラスと授業の作成方法及び標準機能(カードの作成や編集、資料の提示や配布、課題の提出や添削など)の基本操作について学びました。

【講座の内容】
 1 ロイロノート・スクールの基本機能と特徴
 2 ロイロノート・スクールの基本操作
 (1)授業とノートの作成
 (2)カードの作成と整理・編集
 (3)資料のやりとり(資料の提示・配布、課題の提出・添削)
 (4)クラス管理(共有ノート・操作の制限)

【講座の様子】

  

【受講者からの感想】

・受講したことで、ロイロノートの基本的な使い方がよくわかりました。ロイロノートを授業で活用していきたいと思います。

・大変有益な研修講座でした。ロイロノートの特徴をわかりやすく教えていただき、早速現場に活かしていきたいと思います。

・私のような初心者にとって、演習も含むまとまった時間の研修はとても良い機会でした。ロイロノートの基本操作を教えて頂き、授業等に活用できることがいろいろありました。今後の授業の改善に繋げていきたいと思います。

・本校では利用実績がなく、改めて導入の働きかけをしていきたいと考えています。

C08社会科教材開発講座

6月17日(火)、18日(水)、標記講座を開催し、特別支援学校、県立高校の先生方が受講されました。講義・演習を踏まえて、資料とクラウドを活用した学習活動を考えてもらい、考えた内容の発表・協議を通して、学習過程を踏まえた学習者中心の授業づくりについての理解を深めることができました。

【講座の内容】
1日目 講   義  歴史資料から考える青森市の歴史
               講師 青森市民図書館歴史資料室 室長 工藤 大輔
               講義・演習  地理院地図を活用した地理教育の実践
                                            講師 国土地理院東北地方測量部 次長 清水 乙彦
    講義・演習  資料を活用した授業の充実に向けて

2日目 演習・協議  社会的な見方・考え方が働く教材づくり

【受講者の感想】
・生徒に地元地域の歴史に興味をもってほしいという思いがあるため、改めて青森県や勤務校のある八戸市の年表を整理して、地域の歴史の転換点になるような大きな出来事をピックアップしたいと考えた。
・授業においても、問いの追求にどんな資料が必要か、その資料は適切かを考えながら準備をすすめていきたいと思いました。
・地理専門の私にとっては、授業実践に直接役立つ情報が満載で、現場教員のニーズを踏まえたすばらしい企画でした。教材作成の幅が大きく広がる情報を得たり、専門的な知識について学ぶことができたり、とても有意義な講義・演習でした。
・これまでも授業では地理院地図を使用していましたが、今回受講したことで、生徒が操作するための説明も今までより丁寧にできるような気がします。また地理院地図であらわした内容で授業の問いが広げられるように今回の講座を生かしていきたいと思います。
・単元のデザインのうち、課題追究を中心に据えるというフォーマットが特に地理総合で必要であることを再認識させられた。「問い」を軸にするという授業構想は実践できているが、以後、生徒の学習活動の充実を図るために、授業手法の幅を広げたいと思う。教材づくりではクラウド活用を意識したが、これもすぐに実践できる手法であるため、現場で使っていきたいと思った。
・これまでも授業にはクラスルームを活用していましたが、これまでの利用方法を見直すきっかけになりました。生徒の学びの過程をリアルタイムで確認できたり、文房具として生徒が使いやすい用途にしたりなど、今後生かしていきたいと思います。

  

C18高等学校理科研修講座[物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎]

6月20日(金)に、標記講座を開催しました。4名の先生方が受講し、それぞれの科目で授業デザインの方法や、観察・実験の方法について研修を行いました。専門としない分野を担当した際にも授業に取り入れやすく、すぐに授業実践に活かせる内容としました。

【講座内容】

午前:観察・実験を取り入れた授業づくり ~物理基礎/化学基礎~

午後:観察・実験を取り入れた授業づくり ~化学基礎/生物基礎/地学基礎~

【講座の様子】

講義・実験の様子(物理基礎)講義・実験の様子(化学基礎)

  ↑講義・実験の様子(物理基礎)  ↑講義・実験の様子(化学基礎)

講義・実験の様子(生物基礎)講義・実験の様子(地学基礎)

 ↑講義・実験の様子(生物基礎)   ↑講義・実験の様子(地学基礎)

◆受講者の感想
・どの実験も授業に取り入れやすく、内容も生徒が自分で考えたり班で議論できるもので、大変勉強になりました。ありがとうございました。

・基礎科目のうち自分の専門でない科目については、日々試行錯誤しながら生徒の興味関心を引き出す授業の実践に苦慮していた。特に実験等では、教科書やネットの情報がすべてで、なかなか自由な発想での実験が難しく悩んでいたが、この研修で午前・午後ともに非常に多くのことを学ぶことができた。すぐにでも授業に取り入れたい刺激的な内容を多く学べたので、有意義な研修でした。ありがとうございました。

・勤務校の生徒を想定した授業デザインに基づく、実験教材づくりをすることができました。実際に生徒実験を試みた内容について、ポイントや仕掛けを聞くことができたので、今後の教材研究に生かしたいと思います。

・受講目的は達成できたと考えます。充実した内容を準備していただき、ありがとうございました。

C04高等学校国語科授業づくり講座

6月17日(火)~18日(水)標記講座を開催しました。県立学校の先生方10名が受講され、単元指導評価計画の作成や言語活動の計画を行いました。

【講座内容】

1日目 「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」

    「主体的・対話的で深い学びを実現する指導の改善と学習評価の充実」

      青森県総合学校教育センター 指導主事

2日目 「主体的・対話的で深い学びを実現する授業づくり」

    「主体的・対話的で深い学びを実現する言語活動の充実」

      青森県総合学校教育センター 指導主事

【講座の様子】

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【受講者からの感想】

・「総合的な探究の時間」を含めた授業担当の科目(現在は古典探究、国語表現)において、授業、授業計画、評価等あらゆる面において活用できると思います。これまでの自分の反省をふまえて、改善していきたいです。特に授業においては、教員が導くべきところは導きながらも、生徒に自分で問いを立てさせたり、他の人が書いた文章や資料(これが対話的といえることは今回の研修で知りました!)を使って自分の意見を述べさせたり、生徒の力を引き出したいです。

・現在担当している文学国語、論理国語ともに日頃の単元を立てる際に活用できる。今回は、現場から離れて2日間という長い時間をかけて1つの単元に向き合うことができた。1つの単元を最初から最後まで見通しを立てて計画をし、指導主事の先生の講義やアドバイスを元に、目標や評価基準、評価方法がかみ合うように何度も修正し充実させることができた。当たり前だが、授業計画を立てていく際には、生徒に何を身につけさせ何でそれを見取るのかを熟考することが大切だと改めて実感した。(その際には、私はどうしても言語活動を沢山入れてしまうので、全体のバランスをみたいと思った。)心に残ったのは、「文章との対話も言語活動である」という考え方や、短歌から小説を創作させるという活動である。創作活動は、夏休み前の授業でさっそくやってみたいと思います!キャンバも今年中にチャレンジします。2日間ありがとうございました。

・今回の講義で探究的な学びについて考え、言葉にこだわることを通じて作品の理解を深めることが一つの案としてよいのではないかと気づき、学校での授業に活用しようと思っています。古典探究の単元計画を立てる中で、どうしても文法等の知識面に偏ってしまうところを、言葉の意味を考える際には本文を理解しなければならず、そのためには単語や文法を知らなければならないという流れに持って行くことはできるとも感じました。取り上げた教材が日記文学だったこともあり、先人との文章を通しての対話や、作者の価値観や言動を通して当時の文化慣習を知ることもできるため、単元計画をしっかり練り実践したいと思います。

・国語の教材の内容を教えるにとどまるのではなく、その教材を読むことを通して、どんな資質や能力を身に付けさせたいかということを意識しながら言語活動の設定や授業作りを行っていきたいと思います。また、今回の単元指導評価計画の作成を行ったことで、他の教材を用いて授業を行うときにも、単元全体を見通してどんな評価方法をとるのか、なにで見取るのかということを意識して計画していきたいと思いました。

C42 小学校外国語・外国語活動研修講座

6月17日(火)標記講座を開催しました。15名の先生方が受講されました。
 午前の前半では、UD(ユニバーサルデザイン)を取り入れた授業づくりや授業改善の視点について、講義と演習を行いました。午前の後半には、「私の授業改善の取組」と題して、つがる市立向陽小学校の吉村聡子先生に実践発表をしていただきました。単元のゴールを見据えた1時間の授業の組み立て方や、授業外に児童が英語に触れる工夫など、素晴らしい実践を御紹介いただきました。

 午後は、上智大学短期大学部の狩野晶子教授によるワークショップ形式の講義を行っていただきました。講義を通して受講者の先生方が児童の気持ちになって考えることで、納得感をもってお話を聞くことができたと感じています。UDの視点から英語での指示の出し方や活動のポイントなどを教えていただき、明日からの実践にすぐに役立つ内容ばかりでした。「もっとお話を聞きたい」という声が上がるほど、充実した3時間となりました。

 

 【講座の内容】
・講義・演習 外国語・外国語活動の授業づくりと授業改善の視点
        青森県総合学校教育センター 指導主事 長谷川 紘一
・発表 私の授業改善の取組
     つがる市立向陽小学校 教諭 吉村 聡子
・講義・演習 外国語・外国語活動の指導の在り方
        上智大学短期大学部 教授 狩野 晶子

 

 

【受講者の感想】

・UDの視点や一工夫を加えるだけで子供たちの意欲を高められること、視点を変えながら学習を工夫することなど、たくさんのことを学ぶことができました。これからの授業に生かしていきたいです。

・狩野先生の講義が大変参考になりました。特に実際に様々なことを体験したことで、子供たちが何に困り感を持つのかよく分かりました。明日からの授業に早速取り入れていきたいです。

・「慣れ親しむ」とはどういうことか、アルファベットの学習を例に体感することができました。とても楽しかったです。

・吉村先生の実践発表では、朝活動やお昼の放送などで英語に触れる機会を設けていることがわかりました。委員会やクラブ活動などと絡めて企画していきたいと強く感じました。

・狩野教授の演習では、同じ表現を楽しみながら難易度を変えたりして繰り返し活動を行っているのが参考になりました。内気な子供や定着がなかなか難しい子供でも、「できる!」という気持ちを持つことができそうです。

C17中学校理科実験講座

 6月17、18日に中学校理科実験講座が開催されました。受講された先生方は14名となり、活気あふれた講座となりました。日程は以下の通りです。
 6月17日(火)午前:講義「理科授業改善の視点」
        午後:講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫」(3学年2分野の内容)
 6月18日(水)午前:講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫」(2学年1分野の内容)
        午後:講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫」(1学年2分野の内容)

 今年度は、細胞分裂と花粉管の観察、金星と月の模型作り、マグネシウムの燃焼、酸化銅の還元、電気回路カードづくり、動物の分類、火山灰の観察、火成岩と堆積岩の分類の観察、実験を行いました。
【講座の様子】

  

【受講者からの感想】

・班の先生方と実験のコツについて共有したり、協力しながら実験したりすることで新たな学びがたくさんありました。これからも学び続け、アップデートしていきたいです。

・全国学力•学習状況調査を解いてみて、出題の傾向がさまざまな分野が横断的になっており、実際の生活経験に生かされるものにもなっていました。ただ知識を教えるだけでなく、生徒の探究心や科学的な見方をもっと身につけさせていかないといけないと実感できました。

・時間をかけて様々な実験の教材研究をする事ができました。普段こんなに時間をかけることができていなかったので大変勉強になりました。また、講師の先生や受講した先生方の現場での悩みや工夫なども共有できて大変有意義でした。

・酸化銅の還元は2年生の授業にすぐ取り入れられそうです。今まで教科書にはあっても、やった事のない実験で実際に見たときの驚きがあったので、導入等で活用します。

D18 自立活動研修講座【基礎コース】

   6月17日(火)、上記の講座が開催されました。受講者は小学校8名、中学校4名、高等学校3名、特別支援学校8名、聴講者1名、合計24名でした。特別支援学校フォローアップ研修講座(前期)と合同開催で行われました。 

 北川准教授の講義・演習では、自立活動の基本的事項や個別の指導計画の作成と評価をどのように考えていけばよいのか等について、事例を交えながらお話いただき、動画を見て対象児童の実態を捉え、課題(指導すべき大切なポイント)を導き出す演習を行いました。午後の演習では、担当する幼児児童生徒の実態から、どのように目標設定をしたか、その理由を自分なりに再考したりまとめたりする機会としました。

【研修内容】

講義・演習「自立活動の指導の基本的理解」(講師:文教大学 准教授 北川 貴章氏)

演習「障がいのある幼児児童生徒の実態把握と目標設定」


   

    

   

 【受講者の感想】

・自立活動の基本的な考え方から、これからどのように自立活動を行っていけばよいのかといった実践的なことまで、知りたいなと思っていたことを丁寧に学ばせていただいたと感じている。児童の実態を捉えるのも自分の主観が含まれることが多々あるので、複数の目でどのようなことがあったかという事実を収集し、そこから考えられる困り感を洗い出して適切な活動を考えて実践していくことが大事だと思った。

・自立活動の指導は教科指導とは異なり自由度が高いため、指導の目的と根拠を明確にする必要性を再認識した。目標設定においては、児童生徒の興味関心のみならず、発達段階を踏まえた中心的課題の抽出が不可欠であることや中心的課題を含む教育的ニーズの把握には、保護者の意向だけでなく、行動観察やアセスメント結果を総合的に分析する視点が求められることが分かった。さらに、指導計画の策定には、教員間の情報共有と合意形成が重要であることを再認識することができた。

D05 高等学校における道徳教育講座

 6月10日(火)標記講座が開催され、6名の先生方が受講しました。小・中学校と違い、教科としての道徳がない高等学校においてどのように道徳教育を進めて行けばよいのか理解を深められた様子でした。

【講座の内容】

講義「学校における道徳教育を捉え直す」

講義「小・中学校における道徳教育の実際」

講義「高等学校における道徳教育の推進」

演習・協議「自校の特色を活かした道徳教育の展開に向けて」

【受講者の感想】

・本研修を通して、自分が普段やっている授業を見直す機会を得たことで、実は道徳の目標が踏まえられた要素がそこかしこに散りばめられていることに気付くことができた。他の先生方の授業にも道徳の指導目標を踏まえた内容があるはずであるので、そのことを伝えていくだけでも道徳教育推進教師としての責務を果たすことに繋がると考えることができるようになった。

・道徳の設置について歴史的な背景を含めて再認識することで、改めて道徳教育の意義を確認できました。また、高校のように設定された授業時間がない場合でも、道徳性を育てるために教師ができることについて、沢山のヒントをいただくことができました。