7月1日(火)C22 時間的・空間的な関係を探究する理科野外実習講座[地学]を鯵ヶ沢町(七里長浜周辺)及びつがる市(出来島最終氷河期埋没林、亀ヶ岡石器時代遺跡、縄文住居展示館)の研修地で開催しました。七里長浜では、海成段丘(第四紀後半以降の約10万年周期で繰り返される気候変化、それに伴う高さ100m以上の海面変化、これらと局地的な地殻変動の重ね合わせにより形成された)の形成過程や海岸地形(海食崖、海食洞、ノッチ、ベンチ)等について観察しました。出来島最終氷河期埋没林の露頭では約2万8千年前の地層から発見された埋没林(エゾマツやアカエゾマツ等の針葉樹)を観察しました。最終氷期後期(約8万~2万年前)の極寒期に洪水などの急激な環境の変化によって針葉樹が水没し、その根が水分により、真空パックされたため腐らずに残ったものと考えられてる。
亀ヶ岡石器時代遺跡及び縄文住居展示館では、つがる市の学芸員の解説がありました。定住成熟期後半の大規模な共同墓地であり、高度な精神文化を示すとともに、内湾地域の汽水地域における生業及び高い精神性による祭祀・儀礼の在り方を示す重要な遺跡であることが分かりました。受講された先生方は、講義・観察を通して、七里長浜でみられる地層の形成過程と亀ヶ岡石器時代遺跡についてじっくり学び、考えることができたものと思います。
〈受講者の感想〉
・地層の理解を深めるためには、教科書やデジタル教材だけでなく、実物の観察が必要であると学んだ。
・時間がとることができれば、七里長浜と埋没林の見学を考えている。地形や年代、出土品についての理解を深めたい。
・化石や岩石、火山噴出物の採取を盛り込んだ授業内容にすること、また、写真を活用して地層の堆積順を展開することができればと考えている。
・亀ヶ岡遺跡や縄文遺跡群についての学習を通じて、地域や郷土の成り立ちと自然を結びつけた指導を行いたいと考えている。