開催した講座の様子

C22時間的・空間的な関係を探究する理科野外実習講座[地学]

7月10日(月)~7月11日(火)C22 時間的・空間的な関係を探究する理科野外実習講座[地学]をむつ市及び東通村、佐井村の研修地で開催しました。弘前大学理工学部教授の折橋裕二氏と下北ジオパーク推進協議会ジオパーク推進員の朝日啓泰氏を講師に迎え、下北ジオパークを題材に野外観察の方法や地域素材の活用の方法を学びました。
1日目は、むつ市のむつ来さまい館にある下北ジオパークビジターセンターを見学した後に、東通村石持漁港付近の露頭で北部海岸の田名部層を観察し、関根美付では完新世の津波堆積物やストーム堆積物、漂着軽石を観察しました。その後、むつ市川内の田野沢海岸に移動し、恐山火山噴出物や炭化木、田野沢海底林を観察しました。
2日目は、牛滝港南岸では750万年前の凝灰岩を、北岸では450万年前の凝灰岩を観察し、両者の岩石の違いについて確認しました。その後、牛滝観光船にて仏ヶ浦へ移動しながら緑色凝灰岩の変化を観察しました。また、仏ヶ浦では形成年代の違う仏ヶ浦の緑色凝灰岩、牛滝側の凝灰岩、福浦側のデイサイト溶岩を遠望して観察する地形について確認しました。福浦港北岸では基盤岩であるジュラ紀付加体堆積物からなる長浜層とそれに貫入する白亜紀花崗岩類を、福浦川ではカルデラ壁崩壊角礫岩を、道の駅かわうち湖では半太郎沢層の溶結凝灰岩を場所を変えながら研修を行いました。
受講された先生方は、講義・観察を通して、下北ジオパークの各ジオサイトの形成過程についてじっくり学び、考えることがことができたものと思います。

 

〈受講者の感想〉
・様々な凝灰岩層を見ることで、日本列島の成り立ちや青森県の地形の歴史などを知ることができ、また、普段できない体験学習となり、教科書に写真で載っていたものが、資料ではなく自分自身の実体験として生徒に教えることができるようになった。
・下北ジオパークの北部海岸や仏ヶ浦の露頭観察や、最新の論文を元に解説により、自分の目で直接確かめることができたため、感動した。また、来年度も参加したい。
・下北ジオパークについて、弘前大学の先生による解説で、より学術的な学びができ、新しい見解も聞き、日々進化していることを実感した。県内にある下北ジオパークについて、ジオサイトを見ることにより改めて守っていくことと認識を広めることの重要性を感じた。