令和6年7月27日(土)に、FR教育臨床研究所所長の花輪敏男氏をお招きして、センターセミナーⅠ「不登校児童生徒への支援」を開催いたしました。県内各地の市町村から、教育関係者だけでなく、一般の参加者も含めて55名の参加がありました。セミナーでは、学校・家庭・専門機関との連携の必要性、不登校児童生徒を自立に向けること、自主性を育むための具体的な言葉がけなどを示唆していただきました。セミナー後のアンケートからは、今後の不登校支援への実践について意欲的に書かれている内容が多く寄せられました。
【講座内容】
講義 「不登校児童生徒への支援」
講師 FR教育臨床研究所 所長 花輪 敏男 氏
【講座の様子】
【受講者の感想】
・不登校についてとても参考になるお話ばかり聞くことができて良かったです。花輪氏がこれまでの事例を用いてお話してくれたのが更に良かったです。不登校と向き合い成功している証拠なので、私たちも花輪氏の技術を用いて不登校と向き合っていけるといいと感じました。
・発達障害(自閉スペクトラム症)に関して、自分で勉強してきたことと逆の考え方を聞き、視野が狭くなっている自分に気がつきました。今後、支援していただいている方とも共有できればと思いました。
・毎年参加させていただいていますが、毎回新しい発見があり、学びが尽きません。不登校対応では専門関係機関との連携はしっかりと取りながら、学校が主体になっていくことを肝に命じて取り組んでいきたいと思います。
7月30日(火),31日(水)標記講座を開催しました。18名の先生方が受講され、問題発見・解決の過程を意識した授業づくりや、具体的な「身に付けさせたい力」を明確にした指導案の作成を通して、中高の学習内容の連携の重要性を認識することができました。中学校と高校の教員が協議を通じて交流し、授業づくりやICTの活用法など新たな視点を得る貴重な場となりました。
【講義・演習内容】
1日目 午前 問題発見・解決の過程をイメージした授業づくり
午後 中高の接続を意識した授業改善
2日目 午前 ICTを効果的に活用した数学科の授業づくり
午後 「付けさせたい力」を明確にした授業づくり
【講座の様子】
【受講者からの感想】
・高等学校の先生ともお話する中で、生徒の主体性や数学に向かう態度という課題が自分自身の授業づくりに起因している部分があると気づくことができ、その解決のためにも問題発見、解決をする授業をしていくことの重要性を学ぶことができました。単元的な接続の目線を持つことや、自分に合った方法で学習に向かうコントロールの場面を設定するなど、中高の繋がりを意識した授業デザインをする貴重な経験になりました。アナログとデジタルといった手段の使い分けについても、目の前の生徒たちにとって有効な学習に活用できるよう研修を続けていきたいと思います。
・中高の接続の意識はいままであまりなかったため、その視点を持てるようになったことが今回の成長だと感じています。中学校での既習事項と高等学校の学習事項が繋がりを持てるよう、授業研究をしたいと思いました。また、ICTの活用の仕方に関しても使ったことのないアプリケーションのことを知ることができたり、ロイロノートを使っている先生方の実践例を聞くこともできたりしたので、自分の授業に取り入れていきたいと思いました。
7月25日(木)に標記講座を開催し、小学校と特別支援学校の25名の先生方が受講されました。
「指導と評価の一体化に向けた授業の在り方」をテーマに、前半は 国立教育政策研究所 教育課程調査官 笠井健一氏による講義・演習を行いました。算数の学習を苦手としている児童の視点に立った授業づくりについて、演習を行いながら学びを深めました。
後半は、「既習をいかす授業づくり~主体的・対話的で深い学びのある授業~」について講義・演習を行いました。受講者は発問の工夫や、主体的・対話的で深い学びのある授業に向けた課題と改善点について考えました。
【講座の内容】
講義・演習「指導と評価の一体化に向けた授業の在り方」
講義・演習「既習をいかす授業づくり~主体的・対話的で深い学びのある授業~」
【受講者の感想】
・苦手な子供の気持ちを考えることを常に忘れてはならないと感じました。分かりやすい説明とはどういう説明なのか、全員が分かるように、どの子供も取りこぼさずに授業を進められるようになりたいと思いました。
・教師の説明の仕方を見つめ直すことや、子供たちの説明する力を伸ばすことは、子供たちの思考力・判断力・表現力を伸ばすことにつながると感じ、とても勉強になりました。これからの日々の授業でもいかしていきたいと思います。
・演習を通して主体的・対話的で深い学びについて自分自身の考えを深めることができました。また、いろいろな先生方と話し合ったり、他のグループの発表を聞いたりすることで自分の考えを整理することができました。
7月30日(火)、SOSの出し方教育研修講座を開催しました。小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の先生方、SSWの方を合わせて48名が受講・聴講されました。中央大学人文科学研究所 客員研究員 髙橋聡美氏を講師に迎え、SOSの出し方教育について全国各地で行われている実践を、児童生徒の実態を交えながら御講義いただきました。幅広い校種の先生方のニーズに応えられるよう、全国の児童生徒の実態、アサーティブな態度の育成やレジリエンスを児童生徒にどのように伝えていくかなどについても学ぶことができました。講義の最後には、8名もの先生方に御質問いただき、先生方の研修意識の高さを強く感じる講座となりました。
【受講者の感想】
近年の児童生徒の自殺者増加の要因となる様々な諸問題について知ることができた。生きづらさや困難を抱える子どもたちへの支援に、地域が連携して取り組んでいることを知り、私自身が教員としてできることは何なのか考えさせられた。
「人の心は折れる」ということを前提に、立ち上がる力であるレジリエンスや、自傷や自死など、幅広く児童・生徒のSOSやそれに対する考え方について知りました。特にアサーティブな態度やバウンダリーについての考え方は、その知識の有無によって、教師の子供への接し方や見方が自覚でき、すぐに実践につながるものだと感じました。
SSW等の心理的および社会的な専門性を有した人材と連携して支援を充実させることで、学校が支援できない範囲を越えて、組織的対応をすることができるのを学ぶことができた。