開催した講座の様子

令和6年度 10月

C01「考え、議論する道徳」の授業づくり研修講座

10月28日(月)、29日(火)の2日間、標記講座を開催しました。小学校・中学校・特別支援学校の21名の先生方が受講されました。「特別の教科 道徳」の授業改善に向けて、基本となる考え方や様々な手法について、講義や演習、協議を通して学びました。

【講座の内容】

1日目

・講義「考え、議論する道徳」の実現に向けて

・講義・演習「考え、議論する道徳」の授業づくり

・講義「特別の教科 道徳」の教材研究と授業構想

 (講師)秋田公立美術大学 副学長 毛内 嘉威

2日目

・講義・演習「特別の教科 道徳」の授業改善とICT活用

・発表「考え、議論する道徳」の授業実践

 (発表者)十和田市立四和小学校 教諭 黒滝 誠人

      むつ市立大平中学校 教諭 菩提寺 学

【講座の予定】

     

 

    

【受講者の感想】

・毛内副学長の講義では、同じ価値観の人はいないという前提での姿勢や、個人の道徳性は集団の道徳性に負けてしまいがちであることなど、分かったつもりでいたことを再確認できました。価値観の違いをどうしたら良いのかについての方法も興味深かったです。ユニバーサルデザインの視点から、焦点化、視覚化、共有化、身体表現化を意識することが大事であることや、ねらいの違いで発問が変わってくることから、一つの教材文でも対象児童や実態が変わると何パターンも授業ができることが興味深いと感じました。

・ゴールとなる授業後の子どもの姿を考える、学習指導要領を読み込む、発問のねらいを明確にするなど、黒滝先生、菩提寺先生どちらの実践発表からも、事前の準備がいかに大切かが分かりました。子ども達がより自分ごととして捉えられるように導入場面で活用していた「自分の目標達成度振り返りシート」や、指導(超)略案はぜひ取り組んでみたいと思いました。また、道徳教育を教育活動全体を通じて行うためには、学級に関わる先生などで共通理解を図る場を設けていかなければいけないと思いました。

・日々の道徳の授業に悩むことが多く、少しでもヒントをもらうことができればと思い本講座を受講しました。『ねらいによって発問が変わる』といったことがどの講義でも示され、授業づくりに必要な考え方や資料(「授業づくりシート」や「発問の立ち位置・4区分」シートなど)を提示していただいたことで、もう一度授業を見直す意欲が生まれたという意味では目標を達成できたと思います。6年程前に同じ研修を受講しましたが、その時よりも自分が道徳の授業回数が増えて視点が変わったこと、特別支援の視点を入れた講義や演習、グループ編成をしていただいたことで、前回よりも学びの多い充実した研修となりました。

C44 中学校英語授業づくり研修講座

10月24日(木)標記講座を開催しました。12名の先生方が受講されました。

 

 午前は、「主体的・対話的で深い学び」につながる単元構想や各活動の設定、ICTの活用についてお話をしました。また、講義の後半では、話すこと【やり取り】のMicro-Teachingを行い、体験的に学べる機会も設けました。

 午後は、信州大学学術研究院の酒井 英樹教授に講義をしていただきました。同じ教科書を使用する先生方で班になり単元構想計画案を作成したり、CAN-DOリストについての理解を深めたりすることができました。受講者の質問にも答えていただき、充実した3時間となりました。

 

【講座の内容】
・言語活動が主体となる授業づくりとICTの活用
  青森県総合学校教育センター 指導主事 長谷川 紘一


・子どもの資質・能力を高める授業づくり
  信州大学学術研究院 教授 酒井 英樹

 

【講座の様子】

 

 

【受講者の感想】

・午前の部では、「できるように導くための指導」という視点が勉強になりました。体験を通して様々な指導法に触れることができたので、実践に反映させたいです。午後の部では、単元構想や学年ごとの目標を大切にしなければならないと改めて感じました。特に小学校からの繋がりを意識し、良いスパイラルを構築できるように工夫していきたいです。

・授業づくりのための順番や考え方を分かりやすく説明して頂きありがとうございます。特に、読むことについての指導法はうまくできていなかったのでとても参考になりました。

・単元構想、単元の終末段階で行う言語活動、CAN-DOリストの提示や見直しなど、たくさんの学びがあり、自身の授業改善に向けての意欲が大幅に上がった研修でした。

・酒井先生の講義では、実際に教科書を活用してCAN-DOリストと照らし合わせながら単元計画を作成しました。自分がすでに作っている単元計画に足りない視点を知ることができました。

・単元末の言語活動をCAN-DOリストに沿ったものにしたり、実際に活動を考えてみて、生徒が興味・関心を示すような状況設定を考えたりするなど、改めて授業づくりについて学ぶことができました。言語活動を行う上で、使用する文法事項を絞るのではなく、既習事項を使って表現できるようにさせていきたいです。

C26 豊かな表現力を育む音楽科講座

 10月29日(火)豊かな表現力を育む音楽科講座が開催されました。11名の先生方と、我が国や郷土の伝統音楽について、また唱歌や筝の活動を通した学びについて講義・演習を行いました。

【講座内容】

1 講義「指導と評価の一体化を目指す音楽の授業」

     講師 県総合学校教育センター 指導主事 道川 里奈

2 講義・演習「表現から広がるこれからの学び①」

        ~我が国や郷土の伝統音楽を通して~

     講師 梅屋楽器店 三味線講師 浅野 修一郎

              筝講師 小野 玲子

        県総合学校教育センター 指導主事 道川 里奈

3 講義・演習「表現から広がるこれからの学び②」

        ~唱歌や筝の活動を通して~

     講師 2と同じ

【講座の様子】

  

【受講者の感想】

・民謡はとっつきにくいイメージでしたが、普段の掛け声や、なぜ仕事歌として音楽が広まったか、お話を聞いて理解が深まりました。とても楽しく興味深い内容でした。授業でも、普段の私たちの生活を歌詞につなげてみることや、生活との関わりに気づかせる授業を展開したいと思いました。

・生の音楽を身近で聴き、感動する瞬間はいくつになっても新鮮で心に響くと改めて感じました。きっと初めての音楽に出会う生徒たちもこんな風に感じるのだろうなと。久しぶりに良い音楽を聴いて鳥肌が立ち、耳がピクピクして耳が喜ぶ感覚を感じることができて幸せでした。

C23 学びを実感させる理科実習講座[天体観察]

 10月21日(月)C23 学びを実感させる理科実習講座[天体観察]を開催しました。NPO法人星のソムリエ機構 理事の甲田昌樹氏を講師に迎え、天体望遠鏡の仕組みや基本操作、観察方法、最新の望遠鏡(スマート望遠鏡)やプラネタリウムアプリの活用などの研修を行いました。当日は後半から雲の影響もありましたが、金星や土星など天体観察を実際に行うことができました。受講された先生方は、講義・実習を通して、天体観察の授業への導入や児童・生徒の宇宙に対する興味・関心を抱かせる授業の工夫について探究することができたものと思います。

〈受講者の感想〉
・天体望遠鏡の基本について知ることができて大変良かった。初めて大型望遠鏡やプラネタリウムを体験し、充実した内容であった。

・子ども達に部活終わりに見せられるような機会をつくりたい。太陽の黒点観察を通じて、実際に天体望遠鏡を使った観察の機会を提供したい。

・授業の中で児童生徒に天体をより分かりやすくイメージさせるための様々な指導法について勉強になった。

・天体についての知識や児童に触れさせる手段も増えたため、今までより意欲を引き出すことができるようになった。

・小・中学校での天文分野(地学分野)を充実させていかなければと思った。

D25 読み書きに困難のある児童生徒への指導・支援研修講座

 10月25日(金)、標記講座を開催しました。
 小学校、中学校、高等学校の先生方が受講しました。
 宮城学院女子大学 教授 梅田 真理 氏 を講師に迎え、「読み書きに困難のある児童生徒の学び方を考え支援する」というテーマで、演習を交えながらご講義いただきました。講義では、読み書きの困難の背景要因等について分かりやすく解説していただき、読み書きの困難さに対する支援のポイントについて学びました。
 また、午後の講義・演習「読み書きの困難さを補うタブレットPCの活用方法」では、タブレットPCのアクセシビリティに関する標準機能や音声教材など、代替手段としての活用法を学びました。

 講座の様子1  講座の様子2

【受講者の感想】

  • 読みにくさの体験をしてみて、一日の授業が全てこうだったら子どもの負担はすごく大きいと実感できました。ノートのマスに入らない、正しく表記できない、音読できない子どもたちを練習不足と捉えるのではなく、どこに難しさをもっているのか、学校に戻ったらしっかり見ていきたいと思いました。
  • 学校不適応の子どもたちを目の前にして、怠けではないかとか、もう学校でできることはないのではないかと思っていた自分の考え方を反省しました。子どもが何に困っているのか、つまずきの原因を探る担任になっていきたいと思いました。
  • 今まで、LDかもと思ったときに不器用さや形の捉え方の視点で困っていることを見つけようと観察していましたが、不注意という視点はありませんでした。あの子はもしかしたら不注意で正しく書けなかったのかな?と子どもの顔が浮かんできました。正確に実態把握し、適切に支援ができるよう努めたいです。