開催した講座の様子

2025年10月の記事一覧

D04 教育活動全体をつなぐキャリア教育研修講座

9月30日(火)、標記講座を開催し、県内各地の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の32名の先生方が受講しました。講師には筑波大学の京免徹雄先生をお招きし、キャリア教育の在り方やキャリアパスポートの活用方法などについてご講義いただきました。また、講義を踏まえて、他校種の先生方と情報交換をしながら協議を行い、「縦の連携」を意識したキャリア教育の推進に向けて見通しを持つことができた様子でした。

 

【講座の内容】

講義「ウェルビーイングに向けた『ともに歩む』キャリア教育」

   講師 筑波大学 准教授 京免 徹雄 氏

演習・協議「キャリア教育への取組」

【受講者の感想】

○今までの教育活動を振り返ると、キャリア教育を意識する場面はあまりなかったように思うが、講義を受ける中で、各教科の学びを繋げることや、教科と実生活を繋げること、またウェルビーイングのある学級経営等、日常の中で意識できることがたくさんあることに気付くことができた。また、キャリアパスポートは使い方次第でもっと有意義に活用できることもわかったので、今後の実践に生かしていきたい。

○子どもたちの将来にとって「キャリア教育」はとても大切だと思い、今までも様々な実践を積み重ねてきました。ただ、今回の講義を拝聴し、どういったキャリア教育を進めていけばいいのか、方向性が明確になった気がします。他者との関係と対話が未来志向を促進することや、学級のウェルビーイングを向上させることが個人のウェルビーイングの向上につながること、そして「語らせ、つなぎ、価値付け」を繰り返しながら対話や振り返りを続けることが大切だということなど、とても勉強になることばかりでした。今後の実践に活かしていきたいと思います。

○学校にキャリア教育全体計画があるものの、これまでしっかり読む時間がなかったので、今回の研修を通してその重要性を再認識した。そして、各教科の確かな学力も大事だが、生きていくための本当に必要な知識、学びを実生活につなげるのがキャリア教育の視点を持つことだと分かった。また、キャリア教育という漠然としたイメージに固執して、進路や就労に偏りすぎていたことに気付いた。普段の会話から毎日の授業、学校行事などその場その瞬間にキャリア教育は可能であり、生徒との対話から正しい意味付けやよりよい価値付けをしてあげることが大事であり、人生の物語の主人公は生徒自身であることを伝え、共に過ごす時間の伴走者になっていきたいと思った。

○子ども達と将来について考えるときに、どうしても現実的な部分や今の能力との比較をしてしまうことが多くあった。今回、京免先生の、「現実と折り合いをつけながら、進路探索を繰り返すことを経験した方が自分の進路を深く考えることができる」というお話を聞いて、日々の子どもたちとの会話の中で答えがでない、悩んでいる状態は悪いことではないのだと思うことができた。また、「困った友達を助けよう」、「励まそう」、「自分のことだけではなく相手のことを思って行動しよう」と日々子どもたちに伝えていることが、「自分の幸せだけでなく他の人、周囲の人の幸せあってこそのウェルビーイング」という考え方につながるのだと感じた。

D08「気になる子供」のかかわり方研修講座(中・高等学校)

9月26日(金)、「気になる子供」のかかわり方研修講座が開催されました受講者は中学校15名、高等学校20名、特別支援学校2名、聴講者5名、合計42名でした。様々な特性を持った子供たちが物事をどのように認識しているかについての理解や支援の方法、複数の視点でしっかりとアセスメントを行い、チーム支援につなげていくことなど、多くの具体例とともに学ぶことができました。

【研修内容】

講義「気になる子供」の視点でかかわり方を見直す
(講師)弘前医療福祉大学  教授 小玉 有子 氏

  

【受講者の感想から】

・小玉先生が多くの例をあげてくださり、これも最後に仰った「知ることから始まる」につながるのだと実感することができた。ご講義の中で、特性を持つ子供が、自分が上手くできないことをどう補うか、自分で解決できるようにする、というのはとても納得できた。

・小玉先生は講義の中で、アセスメントの重要性を強調されており、自分に不足している部分だと感じました。生徒理解に努めているものの、生徒のことを真に理解しようとしていないことを気づかされました。生徒が授業や人との関わりの中で、特に何に困っているのか、周囲の教員や保護者と連携しながら、まずはきちんとアセスメントをしたいと思います。

・「気になる子供」と言っても、多種多様な見方や関わり方があることを改めて学ぶ機会となりました。何より、困り感を感じている生徒や保護者のために何ができるのか、できないことやダメなことを指摘して終わりではなく「次に何をするのかを考えること」が我々の仕事の大切な点であることを感じさせられました。

C43_中学校英語指導法研修講座

9月18日(木)標記講座を開催しました。15名の先生方が受講されました。

 

 

 午前は、育てたい資質・能力を意識した指導の在り方をテーマに、実践につながるヒントを得られるよう、ペアで体験を通して様々な指導法に触れる時間としました。

 午後は、拓殖大学の西村秀之教授を講師にお招きし、ご講義をいただきました。講義を通して、授業改善の視点を明確にするとともに、学習指導要領への理解を一層深めることができました。また、「理想の子供像」や「目指す教師像」を言語化する活動を通じて、受講者一人一人が授業改善の方向性を見い出すことができました。さらに、受講者同士の交流や体験の場も多く設定され、学びの多い充実した3時間となりました。

 

【講座の内容】

午前  講義・演習  中学校英語教育における指導技術の向上と授業改善へのアプローチ
            青森県総合学校教育センター 指導主事 長谷川 紘一

午後  講義・演習  中学校英語教師に求められる授業改善
            拓殖大学 外国語学部 英米語学科 教授 西村 秀之

 

【講座の様子】

 

 

受講者の感想】(一部抜粋)

・授業改善の視点が明確になり、とても有意義な時間となりました。ぜひまた受講したいです。

・1・2年生の題材でも、これほど多様な方法で指導できることに驚きました。復習や定着のために、3年生でも実践してみたいです。

・これまで自分が取り組んでいた音読や授業の導入が、いかに内容の薄いものであったかを再確認することができました。生徒のもつ能力を活性化させる授業の組み立てを、改めて考え直したいと強く感じました。

・自己紹介のアプローチ方法が、自己紹介にとどまらず、授業内容の推測や生徒が苦手とする疑問文作成などにも幅広く活用できそうだと感じました。

・これまで悩んでいた目的や場面・状況の設定の仕方、リスニングを聞きたいと思わせる工夫、音読の方法など、今まで取り組んだことのない指導法を学ぶことができました。

 

C30創造活動を通した学びを考える美術科教育講座

9月29日(月)文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 平田朝一氏を講師として、「指導と評価の一体化を目指す美術の授業」についての講義と協議・演習を行いました。

【講座の内容】

 講義「指導と評価の一体化を目指す美術の授業」

 演習・協議「指導と評価の一体化を目指す美術の授業づくり」

【講座の様子】

 

 

【受講者の感想】

・午後の演習・協議で特に印象に残っているのは、「素材から主題を考える方法」「美術の授業と地域連携」についてです。テーマを与えられて制作するのはとても久しぶりで、生徒の気持ちも想像しながら制作することができました。同じテーマでも主題と実際の完成作品は全員異なっていて、視点の違いによる発想の豊かさを学ぶことができました。

・材料から発想を広げることの面白さを学びました。素材の良さや加工方法を実感的に学ぶことができ、自分の手で素材を動かすことで、アイデアが広がっていくきっかけにもなる、という体験をさせていただきました。自由に材料を選んだり試したりすることは、生徒にとって自己決定の機会にもなります。美術は、課題にぶつかることで解決させようと試行錯誤し自己決定を行うという、他の教科にはない良さがあるということを学び、まずは生徒が主体的に自己決定できるよう、支援できる教員でありたいと思いました。

 

C33中学校技術・家庭科(家庭分野)・高等学校家庭科教育講座

9月24日(水)に標記講座が開催され、14名の受講者が「学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくりと家庭科における評価のポイント」をテーマに研修を行いました。講師の茨城大学 教育学部 教授 石島 恵美子 先生より、小・中・高の学習指導要領の比較、なぜ問題解決型学習が必要なのか、問題解決型調理実習の実践事例など、専門的な知識や、授業のヒントとなるような事例を聞くことができ、とても有意義な時間となりました。

【研修内容】
  講義     学習指導計画作成における現状と課題の把握
  講義     学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくりと家庭科における評価のポイントについて
         (講師)茨城大学 教育学部
             教授  石島 恵美子 氏
  講義・演習  学習指導要領を踏まえた家庭科の学習指導計画

【講座の様子】

   

【受講者からの感想】

・石島先生の講義は、学習指導要領についてわかりやすく参考になりましたし、課題解決を取り入れた調理実習について、目から鱗が落ちる思いで、参考になりました。また、ポートフォリオの内容もとても参考になりました。時間が許せば、評価の部分についてもっと教えていただきたかったです。午後の授業デザインの作成では、班で行ったことで、普段難しいと考えていることも考えやすかったです。なかなか、勉強する機会がなかったので、とても良い機会になり、少しでも意識しながら普段の授業を改善していきたいと感じました。

・大変わかりやすく説明していただき、授業をイメージしながら講座を聞くことができました。特に、食分野については、これから取り組もうと思っていましたので大変参考になりました。今回教えていただいた要点等を確認しながら今後の授業作りに取り組んでいきたいと思います。学習指導計画について、なかなか作成できないまま授業に取り組んできていました。今回の講座を受講して、手探りながらもできそうな感じです。

・生徒に何を身につけてほしいのか、単元の目標を明確にしながらポイントを絞り、学びを深めるための工夫や声がけの必要性を確認できました。特に問題解決的な学習の取り組みでは、指導要領に課題発見のヒントが隠されており、生徒との対話的なやりとりの中から課題をもたせるためのしかけをどのように促していくかを考える機会となりました。
また、後半はグループごとに問題解決的な学習に取り組みましたが、とても学びがありました。同じ食生活と健康に関わる内容でも、何を課題とするか、またどういう視点から切り込んで展開し実践に繋げ、振り返りをさせていくのか、向かう目標は同じであっても展開やポイントとなる視点が異なっていてとても興味深かったです。