9月3日(水)に標記講座を開催しました。「自立活動の授業実践の協議を通して、障がいによる学習上・生活上の困難を改善・克服を図るための専門性と実践的指導力の向上を図る。」ことを目的に実施いたしました。小学校2名、中学校3名、高等学校1名、特別支援学校4名、計10名の先生が参加されました。特別支援学校の中堅教諭等資質向上後期研修に参加している教師の事例を通して学び、自立活動の授業力の向上を図れるよう、インシデントプロセス法を用いて授業検討をおこないました。
【講義・演習内容】
午前 実態把握に基づく指導実践
午後 自立活動の課題解決に向けて
【講座の様子】
【受講者からの感想】
・これまで自立活動をしていましたが、担当している生徒の実態把握の大切さを改めて感じました。また、特別支援学校の先生方が実践されてる内容を聞くことができ、とても貴重な時間となりました。効果的なアプリや教材を現場の教科担任と共有して、実践してみたいと思いました。
・午後の自立活動の課題解決についての時間では、先生方から、いろんな角度からアドバイスを頂くことができ、生徒にとって効果的な支援方法を得ることができました。
・中堅教諭等資質向上後期研修に参加している先生の事例と午後の協議中、生徒の顔が思い出され、「あれができそう、これやってみたい」と構想が膨らみました。協議を通して自身の実践を振り返ることもできましたし、多様な見方・考え方に驚きの連続でした。この研修でたくさんのヒントをいただきました。後期の自立活動の時間をどう組み立てていくか楽しみになってきました。
9月30日(火)、標記講座を開催し、県内各地の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の32名の先生方が受講しました。講師には筑波大学の京免徹雄先生をお招きし、キャリア教育の在り方やキャリアパスポートの活用方法などについてご講義いただきました。また、講義を踏まえて、他校種の先生方と情報交換をしながら協議を行い、「縦の連携」を意識したキャリア教育の推進に向けて見通しを持つことができた様子でした。
【講座の内容】
講義「ウェルビーイングに向けた『ともに歩む』キャリア教育」
講師 筑波大学 准教授 京免 徹雄 氏
演習・協議「キャリア教育への取組」
【受講者の感想】
○今までの教育活動を振り返ると、キャリア教育を意識する場面はあまりなかったように思うが、講義を受ける中で、各教科の学びを繋げることや、教科と実生活を繋げること、またウェルビーイングのある学級経営等、日常の中で意識できることがたくさんあることに気付くことができた。また、キャリアパスポートは使い方次第でもっと有意義に活用できることもわかったので、今後の実践に生かしていきたい。
○子どもたちの将来にとって「キャリア教育」はとても大切だと思い、今までも様々な実践を積み重ねてきました。ただ、今回の講義を拝聴し、どういったキャリア教育を進めていけばいいのか、方向性が明確になった気がします。他者との関係と対話が未来志向を促進することや、学級のウェルビーイングを向上させることが個人のウェルビーイングの向上につながること、そして「語らせ、つなぎ、価値付け」を繰り返しながら対話や振り返りを続けることが大切だということなど、とても勉強になることばかりでした。今後の実践に活かしていきたいと思います。
○学校にキャリア教育全体計画があるものの、これまでしっかり読む時間がなかったので、今回の研修を通してその重要性を再認識した。そして、各教科の確かな学力も大事だが、生きていくための本当に必要な知識、学びを実生活につなげるのがキャリア教育の視点を持つことだと分かった。また、キャリア教育という漠然としたイメージに固執して、進路や就労に偏りすぎていたことに気付いた。普段の会話から毎日の授業、学校行事などその場その瞬間にキャリア教育は可能であり、生徒との対話から正しい意味付けやよりよい価値付けをしてあげることが大事であり、人生の物語の主人公は生徒自身であることを伝え、共に過ごす時間の伴走者になっていきたいと思った。
○子ども達と将来について考えるときに、どうしても現実的な部分や今の能力との比較をしてしまうことが多くあった。今回、京免先生の、「現実と折り合いをつけながら、進路探索を繰り返すことを経験した方が自分の進路を深く考えることができる」というお話を聞いて、日々の子どもたちとの会話の中で答えがでない、悩んでいる状態は悪いことではないのだと思うことができた。また、「困った友達を助けよう」、「励まそう」、「自分のことだけではなく相手のことを思って行動しよう」と日々子どもたちに伝えていることが、「自分の幸せだけでなく他の人、周囲の人の幸せあってこそのウェルビーイング」という考え方につながるのだと感じた。
9月26日(金)、「気になる子供」のかかわり方研修講座が開催されました受講者は中学校15名、高等学校20名、特別支援学校2名、聴講者5名、合計42名でした。様々な特性を持った子供たちが物事をどのように認識しているかについての理解や支援の方法、複数の視点でしっかりとアセスメントを行い、チーム支援につなげていくことなど、多くの具体例とともに学ぶことができました。
【研修内容】
講義「気になる子供」の視点でかかわり方を見直す
(講師)弘前医療福祉大学 教授 小玉 有子 氏
【受講者の感想から】
・小玉先生が多くの例をあげてくださり、これも最後に仰った「知ることから始まる」につながるのだと実感することができた。ご講義の中で、特性を持つ子供が、自分が上手くできないことをどう補うか、自分で解決できるようにする、というのはとても納得できた。
・小玉先生は講義の中で、アセスメントの重要性を強調されており、自分に不足している部分だと感じました。生徒理解に努めているものの、生徒のことを真に理解しようとしていないことを気づかされました。生徒が授業や人との関わりの中で、特に何に困っているのか、周囲の教員や保護者と連携しながら、まずはきちんとアセスメントをしたいと思います。
・「気になる子供」と言っても、多種多様な見方や関わり方があることを改めて学ぶ機会となりました。何より、困り感を感じている生徒や保護者のために何ができるのか、できないことやダメなことを指摘して終わりではなく「次に何をするのかを考えること」が我々の仕事の大切な点であることを感じさせられました。
9月18日(木)標記講座を開催しました。15名の先生方が受講されました。
午前は、育てたい資質・能力を意識した指導の在り方をテーマに、実践につながるヒントを得られるよう、ペアで体験を通して様々な指導法に触れる時間としました。
午後は、拓殖大学の西村秀之教授を講師にお招きし、ご講義をいただきました。講義を通して、授業改善の視点を明確にするとともに、学習指導要領への理解を一層深めることができました。また、「理想の子供像」や「目指す教師像」を言語化する活動を通じて、受講者一人一人が授業改善の方向性を見い出すことができました。さらに、受講者同士の交流や体験の場も多く設定され、学びの多い充実した3時間となりました。
【講座の内容】
午前 講義・演習 中学校英語教育における指導技術の向上と授業改善へのアプローチ
青森県総合学校教育センター 指導主事 長谷川 紘一
午後 講義・演習 中学校英語教師に求められる授業改善
拓殖大学 外国語学部 英米語学科 教授 西村 秀之
【講座の様子】
受講者の感想】(一部抜粋)
・授業改善の視点が明確になり、とても有意義な時間となりました。ぜひまた受講したいです。
・1・2年生の題材でも、これほど多様な方法で指導できることに驚きました。復習や定着のために、3年生でも実践してみたいです。
・これまで自分が取り組んでいた音読や授業の導入が、いかに内容の薄いものであったかを再確認することができました。生徒のもつ能力を活性化させる授業の組み立てを、改めて考え直したいと強く感じました。
・自己紹介のアプローチ方法が、自己紹介にとどまらず、授業内容の推測や生徒が苦手とする疑問文作成などにも幅広く活用できそうだと感じました。
・これまで悩んでいた目的や場面・状況の設定の仕方、リスニングを聞きたいと思わせる工夫、音読の方法など、今まで取り組んだことのない指導法を学ぶことができました。
9月29日(月)文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 平田朝一氏を講師として、「指導と評価の一体化を目指す美術の授業」についての講義と協議・演習を行いました。
【講座の内容】
講義「指導と評価の一体化を目指す美術の授業」
演習・協議「指導と評価の一体化を目指す美術の授業づくり」
【講座の様子】
【受講者の感想】
・午後の演習・協議で特に印象に残っているのは、「素材から主題を考える方法」「美術の授業と地域連携」についてです。テーマを与えられて制作するのはとても久しぶりで、生徒の気持ちも想像しながら制作することができました。同じテーマでも主題と実際の完成作品は全員異なっていて、視点の違いによる発想の豊かさを学ぶことができました。
・材料から発想を広げることの面白さを学びました。素材の良さや加工方法を実感的に学ぶことができ、自分の手で素材を動かすことで、アイデアが広がっていくきっかけにもなる、という体験をさせていただきました。自由に材料を選んだり試したりすることは、生徒にとって自己決定の機会にもなります。美術は、課題にぶつかることで解決させようと試行錯誤し自己決定を行うという、他の教科にはない良さがあるということを学び、まずは生徒が主体的に自己決定できるよう、支援できる教員でありたいと思いました。