開催した講座の様子

令和5年度 7月

D18教育相談(特別支援教育)研修講座

   7月14日(金)標記講座を開催しました。
 幼保こども園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の先生方20名が参加されました。

 午前中は、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員 久保山 茂樹 氏を講師に迎え、「本人・保護者の思いに寄り添う教育相談」という内容で、ご講義いただきました。
 講義を通して、これまでの教育相談や保護者面談を振り返り、これからの場面にどう生かしていけばよいか、改めて考える時間となりました。

 午後の前半は、県立むつ養護学校 小原 美佳 先生より「学校における教育相談の実際」という内容で、学校内外含めた教育相談の取り組みをご発表いただきました。
 後半は、一日を通して学んだことを生かしながらグループに分かれて「保護者との面談」についての演習を行いました。

 

                 

  

                 

【受講者の感想】
・面談や相談だけではなく、出会った際には「また話したい。」と思っていただけるように、保護者の歴史から学び、共に考え、聴く姿勢を大切にしていきたいと思いました。
・保護者の背景まで想像しながら、丁寧に話を聴いていきたいと思いました。今まで大変な思いをしながら育ててきたことに敬意を払うことを忘れないようにしたいです。
・学校で、今日の久保山先生の共生社会についての提言を発信していけるよう、もっと学んでいかなければと思います。
・下北唯一の支援学校で、下北の特別支援教育の窓口としてお仕事を担われている小原先生の御活躍に勇気をいただきました。

C05 主体的・対話的で深い学びを実現する国語科言語活動実践力アップ講座

7月13日(木)、7月14日(金)の2日間、主体的・対話的で深い学びを実現する国語科「言語活動」実践力アップ講座が開催されました。受講された先生は、2日間の研修でたくさんの言語活動に触れ、児童生徒に身に付けさせたい力に応じた言語活動の在り方について考え、授業改善の視点を広げることができました。また2日目は、講師に東奥日報社販売局の三浦博史専任局次長をはじめ3名の講師をお招きし、新聞で育てられる言語力に関して御講義いただきました。

 

 

【受講者の感想】
・多くの言語活動の演習を行うことで指導改善のアイデアをもらうことができた。
・プロの新聞記者のお話を聞き、見出しをつけるなどの演習を行うことで、子供たちに「書く楽しさ」を伝えたくなった。
・小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の先生方のお話を伺うことができ、子供たちの学びをどうつなげていけばよいかという視点がもてた。

【講座内容】
1 講義(子どもの成長に応じた言語活動の実践)
2 講義:校種別(主体的・対話的で深い学びを実現する言語活動の実践)
3 演習(言語活動のモデルづくり[話すこと・聞くこと])
4 講義・演習(新聞で育てる言語)
5 演習:校種別(言語活動のモデルづくり[書くこと])

C50農業教育指導者講座

7月11日(火)、12日(水)の2日間、標記講座を開催しました。

【講座の内容】
(1日目 所内 講義・演習)
 ■指導と評価の一体化のための学習評価
 ■高等学校における農業教育について
   講師:県立三本木農業恵拓高等学校 校長 中村豊 氏
 ■青森県のスマート農業の取組について
   講師:県農林水産部農林水産政策課
      産業技術高度化推進グループ 総括主幹 野上智弘 氏 
 ■ICTを活用した教科指導の実践について
    
(2日目 所外 企業視察)
 ■GAPやHACCPを取り入れた農業の6次化・ブランド化
   講師:タムラファーム株式会社 代表取締役 田村昌司 氏
 ■スマート×有機農業で地域をデザインする
   講師:株式会社アグリーンハート 代表取締役 佐藤拓郎 氏

     

【受講者の感想】
・1学期末の評価のタイミングで受講できてよかった。3観点も再認識できた。
・農業高校のおかれている現状を、データを見ながら知ることができ、大変参考になった。
・実習におけるリスク管理については再確認しなければならないと思った。
・GoogleWorkspaceの活用はとても知りたかったので、使い方を教えて頂いてとても勉強になった。
・他教科と連携して情報モラル教育をしていく必要性を確認出来てよかった。
・(スマート農業に関して)県内の活用事例を知れてよかった。
・IoTの活用について、学校でも取り組めそうだと感じたので、ぜひ挑戦したい。
・地域農業をけん引している方のお話を伺うことができてよい経験となった。
・どの企業にも言えることなのだろうが、何事にも意欲的であると強く感じた。
・農福連携の視点から、有機農業と障がい者雇用のマッチングを行っているというお話がとても興味深かった。
・一番目的としていた研修だったため、細かいところまで質問できて有意義だった。

C21 学びを実感させる高等学校理科研修講座[生物]

 7月12日(水)、13日(木)に標記の講座を開催しました。
 この講座は、県立高校の理科教員を対象に、毎年開催している講座です。
 1日目は学習指導要領の趣旨に基づき、身近な素材を用いて探究の過程を意識した観察、実験に挑戦しました。
 2日目は、浅虫海洋生物学教育研究センターで岩﨑藍子助教と福森啓晶助教による講義、実習、実験を行いました。地元の陸奥湾の生態系について、テーマを設定して調査し、その生き物を観察、解剖することで生物多様性について深く考えることができました。 

〔講座の内容〕
 ・理科の見方・考え方を働かせる授業デザイン
 ・身近な素材を用いた観察・実験とその教材開発
 ・地域の素材を用いた観察・実験とその教材開発
 ・地域の素材を活用した授業実践とその工夫

 

花粉の発芽やアミロプラストの観察など実験の手法を学ぶことができた。また、岩礁潮間帯での調査や貝の解剖を初めて行い、たいへん良い経験になった。今後の授業で、身近な地域の素材を活用していきたい。
ICTの活用、教科書の内容に即した様々な実験のアイディア、実験を行う際の評価の在り方、生物多様性の捉え方、地域の素材を組織学的に学ぶ手法など、多くの学びがあった。ぜひ、学校で活かしたいアイディアが多くあった。また、評価の在り方について、他校の先生方と共有できたのも有意義であった。

C22時間的・空間的な関係を探究する理科野外実習講座[地学]

7月10日(月)~7月11日(火)C22 時間的・空間的な関係を探究する理科野外実習講座[地学]をむつ市及び東通村、佐井村の研修地で開催しました。弘前大学理工学部教授の折橋裕二氏と下北ジオパーク推進協議会ジオパーク推進員の朝日啓泰氏を講師に迎え、下北ジオパークを題材に野外観察の方法や地域素材の活用の方法を学びました。
1日目は、むつ市のむつ来さまい館にある下北ジオパークビジターセンターを見学した後に、東通村石持漁港付近の露頭で北部海岸の田名部層を観察し、関根美付では完新世の津波堆積物やストーム堆積物、漂着軽石を観察しました。その後、むつ市川内の田野沢海岸に移動し、恐山火山噴出物や炭化木、田野沢海底林を観察しました。
2日目は、牛滝港南岸では750万年前の凝灰岩を、北岸では450万年前の凝灰岩を観察し、両者の岩石の違いについて確認しました。その後、牛滝観光船にて仏ヶ浦へ移動しながら緑色凝灰岩の変化を観察しました。また、仏ヶ浦では形成年代の違う仏ヶ浦の緑色凝灰岩、牛滝側の凝灰岩、福浦側のデイサイト溶岩を遠望して観察する地形について確認しました。福浦港北岸では基盤岩であるジュラ紀付加体堆積物からなる長浜層とそれに貫入する白亜紀花崗岩類を、福浦川ではカルデラ壁崩壊角礫岩を、道の駅かわうち湖では半太郎沢層の溶結凝灰岩を場所を変えながら研修を行いました。
受講された先生方は、講義・観察を通して、下北ジオパークの各ジオサイトの形成過程についてじっくり学び、考えることがことができたものと思います。

 

〈受講者の感想〉
・様々な凝灰岩層を見ることで、日本列島の成り立ちや青森県の地形の歴史などを知ることができ、また、普段できない体験学習となり、教科書に写真で載っていたものが、資料ではなく自分自身の実体験として生徒に教えることができるようになった。
・下北ジオパークの北部海岸や仏ヶ浦の露頭観察や、最新の論文を元に解説により、自分の目で直接確かめることができたため、感動した。また、来年度も参加したい。
・下北ジオパークについて、弘前大学の先生による解説で、より学術的な学びができ、新しい見解も聞き、日々進化していることを実感した。県内にある下北ジオパークについて、ジオサイトを見ることにより改めて守っていくことと認識を広めることの重要性を感じた。

    

    

  

C52 商業教育指導者講座

 7月11日(火)、12日(水)の2日間、商業教育指導者講座を開催しました。
 7名の先生方が受講し、演習を通して学習指導要領が求めるビジネスの視点からの授業のヒントを数多く得ることができ、大変有意義な講座となりました。

 【講座の内容】 11日 学習指導要領 教科「商業」について
                                           ビジネスゴールを達成するWebマーケティング戦略
             株式会社 コンシス
             代表取締役 大浦 雅勝 氏
         12日 ビジネスにおける資産形成とリスク管理
             R&C株式会社 青森支社
             セミナー推進部 マネージャー 石澤 枝美子 氏 
            主体的・対話的で深い学びを実現する授業デザインの構築

    

【受講者の感想】
 ・商業の全科目が関わっていることを認識しました。
 ・昨年からマーケティングとビジネス情報分野の二刀流にチャレンジしています。授業の幅を広げるためのヒントが本講座にはありました。また、常に新しい情報を取り入れて日々の業務に携わっておられるのを拝見し、自分自身を振り返る機会にもなりました。
 ・自身が資産形成とリスク管理に関する知識を全くと言っていいほど持っていなかったため、講義内容の全てが大変参考になりました。最後の質問の際に出てきた生徒への指導は、成人年齢引き下げに伴い生徒が被害にあう危険性もあるということが分かってきたので、生徒にはしっかりと指導していきたいと思いました。
 ・2日間充実した内容で参加してよかったと思いました。あとはしっかりフィードバックして生徒に還元できるよう定着させることが大変です。有意義でした。ありがとうございます。

C45 高等学校英語科言語活動実践講座

 7月4日(火)、5日(水)、高等学校英語科言語活動実践講座を開催しました。言語活動を中心とした授業デザイン構築の可能性について、演習・協議を通して、より実践的な視点で理解を深めることができました。
【1日目】 
「生徒の英語運用能力を育成する言語活動の実際~授業デザイン、ICT活用、指導と評価の一体化~」
 講師:県立青森高等学校  教諭 當麻 進仁
【2日目】
「言語活動を取り入れた授業デザインの構築」 
 講師:1日目と同じ

  

【受講者の感想】
・英語を使う活動が多い構成がよかった。英語を話す楽しさを実感することができた。
・生徒の立場で授業を体験してみて、言語活動に取り組む際の生徒の不安な気持ちや、もっと聞きたいと思う気持ちを理解できた。
・体験した授業では、生徒たちが気づかない部分で、たくさんの仕掛けや工夫、配慮をしているということがわかった。単元の設定、レベル、活動の順番など、ありとあらゆるところに授業者としての意図が散りばめられていた。
・読んだり聞いたりした内容を自分の中で咀嚼して相手に伝えることで、内容が記憶に残りやすくなり、英語で伝えようとする姿勢につながっていくということが実感できた。
・日常の実践の中で、一つ一つの活動がどのような意味を持つのかを見直して、授業をデザインしていきたいと思った。
・スピーチやプレゼンテーションは、対象を明確にすることで、活動しやすくなることがわかった。
・授業実践において、活動の目的や、何を評価すべきかについてもっと目を向けていきたい。

D13今日から始める不登校対策研修講座

 

7月3日(月)、今日から始める不登校対策研修講座が開催されました。受講者は小学校1名、中学校15名、高等学校10名、特別支援学校4名、研究員3名、聴講者2名、合計35名でした。午前から午後にかけて「不登校児童生徒の理解・対応とチーム連携」の講義を聴き、不登校の現状や学校組織としてどのように対応していくことができるか、またそれぞれの地域で行われている取り組みについて具体的に学びました。「不登校児童生徒の対応について」の演習・協議では、各校の事例を持ち寄りながら課題について検討し、どのように対応ていくことができるか意見を交換することができました。

【研修内容】
講義「不登校児童生徒の理解・対応とチーム連携」
演習・協議「不登校児童生徒の対応について」
 東京家政大学・同大学院 名誉教授・客員教授 相馬 誠一

  

【受講者の感想から】
・私の学年には完全不登校2名、不登校傾向が2名いるため、何とかせねばと思い参加させていただきました。この生徒達が社会的自立を目指して、前を向いて進めるように、職員全員がチームとなって、家庭と連携をとりながら、本人のニーズに応じた支援や手立てを見つけていかなければと感じました。
・昨今の不登校生徒への対応は、学校だけではどうにもならないことも増えてきていることから、外部機関との積極的な連携で、早期発見・早期解決が大切であることが再確認できました。
・不登校生徒への対応について、これまでの実践が間違っていなかったと安心した部分もありました。しかし、対策を考え直す必要があると感じた点が多く、大変勉強になりました。特に「社会的自立」を目指すという視点は中学校教師は必ずもたなければいけないと思います。不登校生徒に限らず、高校に進学させることが目的になってしまうことがあると思うからです。当該生徒の将来を見据えた指導が必要であり、そのためには生徒と本気で向き合うことが求められるのだと思います。今日伺ったお話を参考にして、実践したいと思います。