開催した講座の様子

令和3年度 9月

B13 養護教諭研修講座


 9月7日(火)・8日(水)、養護教諭研修講座がオンラインによる非集合型に変更して開催されました。受講者は小学校3名、高等学校2名、聴講者3名の合計8名でした。
 1日目は、女子栄養大学 教授 大沼 久美子先生の「新型コロナウイルス感染症に伴う新しい保健室経営の在り方」と題し、「コロナ禍における養護教諭の実態と課題及びその対応」や「令和の日本型学校教育とコロナ禍の養護教諭」等について御講義を受け、「コロナ禍における保健室経営計画作成(課題解決型)」の演習を行いました。非集合型の研修ではありましたが、発表やグループ協議も行い、最後はグループに分かれて、実際に一つの保健室経営計画を作成してみました。講義の内容にあった、「保健室もGIGAスクール構想を導入し、ICT環境を活用する」ということをまさに体感しながら、学びを深めることができた様子でした。
 2日目は、「D08 子供への緊急対応研修講座」と一部合同で行い、「学校における自殺予防」と題して、東京家政大学 名誉教授 相馬 誠一先生の御講義を受けました。様々な事例に対する相馬先生の御助言を聴き、子供の命を守る教員の役割について、真剣に考える機会となったようでした。

【研修内容】
(1日目)
講義・演習「新型コロナウイルス感染症に伴う新しい保健室経営の在り方」
 女子栄養大学 教授 大沼 久美子 氏 ◆オンライン
(2日目)
講義・演習「中央研修会伝達」
 青森市古川中学校 養護教諭 根上 あゆみ 氏 ◆資料提供
講義・演習「学校における子供の自殺予防」
 東京家政大学 名誉教授 相馬 誠一 氏 ◆オンライン

 

【受講者の感想から】
「新型コロナウイルス感染症に伴う新しい保健室経営の在り方」
・新しい生活様式に対応できるよう、自分自身も知識・技術をアップデートしていかなかければならないと感じた。また、一人で対応しようとせず、繋がりを生かして協力しながらコロナ対応にあたりたいと思った。ICTの活用はやってみたくても方法がわからない、知識がない等の理由で手をつけずにいたが、まずは実践することが大切だと感じた。

「中央研修会伝達」
・安全基地があるからこそ、安心して子供たちは行動を起こすことができるのだと学んだ。保健室で対応していると、バイタルサイン等の観察では問題ないが、我慢できそうでできない頭痛や腹痛が多く、対応に困るケースが多い。安心感を与える関わりや、子供の背景をしっかり理解する姿勢を大切にしながら関わっていきたいと考える。

「学校における子供の自殺予防」
・10~19歳の子供の自殺者数が増え続けていることに衝撃を受けた。何よりも「予防」を頭に入れ、子供たちの変化に敏感にアンテナを張り、見守っていきたいと思った。

D08 子供への緊急対応研修講座


 9月8日(水)、子供への緊急対応研修講座がオンラインによる非集合型に変更して開催されました。受講者は、小学校4名、中学校7名、高等学校9名、特別支援学校5名、研究員4名、聴講者3名の合計32名でした。八戸児童相談所の山田課長の講義を聴き、児童相談所の機能や児童虐待の実態について理解を深めている様子でした。また、東京家政大学の相馬名誉教授の講義・演習を通して、子供の自殺や自傷行為等の現状や校内体制の構築の仕方について確認するとともに、受講者から提出された具体的な対応事例に対する指導・助言を聴きながら、受講者自身の対応を振り返るよい機会となったようでした。
【研修内容】
講義「子供の安心・安全な生活を支える児童相談所の機能」
 八戸児童相談所 子ども相談第二課長 山田 憲子 氏
講義・演習「学校における子供の自殺予防」
 東京家政大学 名誉教授 相馬 誠一 氏
      

【受講者の感想から】
・児童相談所とは、児童虐待の連絡等でつながってはいましたが、実際にどのような取り組みがなされていたり、どのような流れで対応されているのかを知る機会がなかったので、知ることができてよかったです。
・現在、不登校傾向の生徒や自傷行為を行う生徒がいるため、どのような支援をしていけばよいのかが分かりました。
・自殺者の件数や実際の事例を伺い、学校での対応で1件でも件数を減らしていければと思いました。そのためには、早期発見・早期対応の予防が何より大事だと再確認することができました。

C06 考える力を高める小学校社会科教育講座

 9月9日(木)、9月10日(金)の2日間、考える力を高める小学校社会科教育講座をオンライン形式で開催しました。
 1日目の講義・演習では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて問題解決的な学習をどのように展開していくかについて研修しました。
 2日目の講義では、前文部科学省視学官 国士舘大学 教授 澤井 陽介 先生に「問いを重視した授業づくりと学習評価」と題した講義をしていただきました。「令和の日本型学校教育」から考える、問いと板書で授業を構成する、主体的・対話的で深い学びを目指す、学習評価から授業を考える、という内容について、具体的な事例を交えて分かりやすく説明していただき、大変多くの学びを得ることができました。

【講座の内容】
9月9日(木)1日目
講義・演習「主体的・対話的で深い学びの実現を目指す問題解決的な学習の授業改善」
発表「思考力、判断力、表現力等を育てる社会科教育の実践」
9月10日(金)2日目
講義「問いを重視した授業づくりと学習評価」

【受講者の感想】
・いかに授業のなかで「問い」が大事かということ、「問い」から何を学ばせるかなど、普段の授業をつくる際に悩んでいたことが解決できました。
・学習問題の作り方や学習計画の立て方など、基本的な進め方がよくわかりました。子供が問題意識をもって取り組めるよう、授業に生かしていきたいと思います。
・自作の資料は大変分かりやすく、今後は子ども達の実態や生活環境に合わせて自作し、活用したいと思います。

C21 学びを実感させる高等学校理科【生物】

 9月7日(火)C21 学びを実感させる高等学校理科研修講座[生物]が開催されました。

 

 

 この講座は、資質・能力を育むために、身近な素材を用いた観察・実験を授業にどのように取り入れるか、また、科学的な思考力・判断力・表現力を育成するためにどのように実験計画を立案するかなど、授業力の向上を目指して、毎年開催しているものです。

 今回は、感染症の影響で非集合型オンラインでの開催となりましたが、GoogleWorkspaceを使用して、仮説の設定・実験計画の立案に関する実践的な協議・演習をすることができました。

 

【受講者の感想】
・GoogleWorkspaceを利用して提出物の管理や生徒への連絡など、既存の仕事の効率化につなげ
 ていきたい。
・タブレットを活用した授業の工夫をしていきたい。

D04 教育活動全体をつなぐキャリア教育研修講座

 9月3日(金)にD04 教育活動全体をつなぐキャリア教育研修講座を、オンライン
による非集合型に変更して開催しました。講師の筑波大学人間系の藤田晃之教授と受
講者をZoomで結び、講義とブレイクアウトルームを活用しての協議・演習等を通じ
て、これまでのキャリア教育の歩みを振り返り、今後のキャリア教育の考え方、進め
方について研修しました。
【研修内容】
 講義「いま、なぜキャリア教育なのか?~学校教育におけるキャリア教育の役割~」
 講師 筑波大学人間系 教授 藤田 晃之 先生

  

【受講者の感想】
・目標は具体的=評価できること、生徒の実態に基づいた目標であることの2点は大
 切なことだと思いました。キャリアパスポートの継続的な使い方、学びの意欲につ
 ながるキャリア教育が大切なことを知ることができました。
・キャリア教育は何をどう教えれば良いのだろうか、新しい何かをやらなければなら
 ないのだと思っていたが、授業や行事など、様々な場面でつなげていくことが大切
 だと知ることができた。授業や生徒に対する声がけなど、多くのことを見直して行
 きたいと思った。藤田先生のお話はとても熱く、胸に大きく響きました。
・キャリア教育について、今まで漠然と職業教育や進路指導のようなものだと思って
 いたが、決してそれだけではなく、毎日の授業や学校行事等、日々の学校生活と密
 接に関わっているものだということが分かった。キャリアパスポートは記録を残し
 てはいるものの、それを面談等に生かすようなことはなく、まさに「やりっ放し」
 になってしまっていたので、これから機会を見つけて面談等でも活用し、生徒を褒
 めるきっかけにしたいと感じた。
・学校で学んだことや、やったことが生きていることを経験すること、そして、児童
 生徒が実感できるようにすることの大切さを学びました。特別支援学校では、学年
 のつながりの他、学部間の系統性も大切であると考えます。中学部、高等部への進
 学を見据え、児童がどんなことで困っているのか、どの部分が弱くてどんな力が必
 要なのかを見極めて支援していきたいと思いました。また、面談時や保護者への説
 明時の資料としてキャリアパスポートを活用し、小学部段階から意識していただく
 ことができるようにしていきたいと思います。

C14高等学校数学科教育講座


 9月1日(水)に【C14高等学校数学科教育講座】を実施しました。
講師として、東京学芸大学大学院の西村圭一教授をお招きする予定でしたが、
昨今の新型コロナウイルス感染拡大への配慮から、当日はオンライン形式
(非集合型)で講義していただきました。西村教授におかれましては、オン
ラインによる講義に関しても熟練されており、通常形式の講義と変わらず、
学びの多い1日となりました。

・講義・演習「「数学的な見方・考え方」を働かせた数学的活動の充実」
・講義・演習「仮説検定の考え方」
  (講師)東京学芸大学大学院 教育学研究科
       教授  西村 圭一
・演習・協議「数学的活動を取り入れた授業づくりに向けて」
  (講師)県総合学校教育センター 高校教育課
       指導主事  小関 央高

  

【受講者の感想】

・数学Ⅲの授業実践が大変興味深かったです。考えさせる授業は、その効果や
 評価の規準が難しいですが、しっかり準備して是非実践したいです。「数学
 的に考えることが習慣化していれば問題文の長さは気にならない」という
 言葉が印象的でした。
・仮説検定については大学で学んだものの、指導経験もなく自分の理解にも
 あまり自信がないため、来年度以降からの指導に正直なところ不安を持って
 いました。しかし、今日の演習から「その結論が妥当であることを数字で
 表す」という基本的な部分から振り返ることができました。また、ツールを
 用いて生徒にシミュレーションをさせて結果をどのように解釈するかなど、
 数学的に深めていく場面を作っていくことができるのではないかと前向きに
 考えられるようになりました。
・先週から「図形と計量」の授業を行っているので、評価計画などの資料の内
 容がとても参考になりました。今回参加された先生方のワークシートなどを
 今後の授業に取り入れて授業改善を行っていきたいです。
・これまでは教科書や問題集の解説や演習になっていた授業を「主体的・対話
 的で深い学び」となるように見直していく必要を感じました。ただ値を求め
 るだけでなく、これまでの学習と新しく学習したことを関連付けたり、法則
 性などから内容を発展させたり、数学的な見方・考え方をまずは自分自身が
 持ち、今後の授業に活かしていきたいです。
・授業の指導計画、評価計画を今まで以上に一体化させていく必要があると感
 じました。単元の指導評価計画の例などが参考になりました。説明や対応が
 丁寧で分かりやすかったです。