開催した講座の様子

2021年6月の記事一覧

C03 中学校国語科授業づくり講座

6月15日(火)~16日(水)に標記講座を開催しました。
 1日目午前は講義「学習指導要領に基づいた「読むこと」指導の授業改善」を行い、青森県の生徒の課題から見通しをもった学習指導が大切であることを確認しました。
 1日目午後は昨年度に引き続き、青森市立南中学校の古澤順子先生の発表「付けたい力と「主体的・対話的で深い学び」を関連付けた国語科教育の実践」から、マトリクス表から学習課題を設定することによって、主体的に学ぶ生徒の育成を目指した実践発表をお聞きすることができました。
 2日目午前は岩手大学の藤井知弘教授による講義「学習指導要領に基づいた「読むこと」指導の授業改善」で、「読むこと」指導の考え方や先生方の授業の悩みの解決に向けたアイデアをお聞きすることができました。
 1日目午後の後半と2日目午後は演習・協議「付けたい力と「主体的・対話的で深い学び」を関連付けた「読むこと」指導の授業構想」で、授業づくりについての協議、タブレット活用や評価規準を設定した単元計画を作成しました。
 
【講義の内容】
6月15日(火)
・講義 学習指導要領に基づいた「読むこと」指導の授業改善
・発表 付けたい力と「主体的・対話的で深い学び」を関連付けた国語科教育の実践
・演習・協議 付けたい力と「主体的・対話的で深い学び」を関連付けた「読むこと」指導の授業構想
6月16日(水)
・講義 学習指導要領に基づいた「読むこと」指導の授業改善
・演習・協議 付けたい力と「主体的・対話的で深い学び」を関連付けた「読むこと」指導の授業構想

  

【受講者の感想】

・「主体的・対話的で深い学び」は子どもの視点であり、そのための見通しと振り返り、考えの形成の必要性を改めて強く感じた。
・古澤先生の実践発表の「問いからスタートする読みの学習」がとても興味深かった。生徒が自分の疑問にむけて学習する姿は、まさに主体的な姿だと思った。
・藤井教授の講義で学んだ「生徒の目線でつくる」「教師が教えすぎない」「学習者に思考させる」など、授業づくりのポイントを大切にしていきたい。
・協議では他の先生方と悩みが共有でき、これからの授業改善へのヒントをみつけることができた。

C08 社会科教材開発講座


622日(火)、23日(水)、標記講座が開催され、県内各地から7名の先生方が受講しました。1日目午前、東北学院大学准教授 黒坂 愛衣先生による「市民社会の問題としてのハンセン病問題」と題しての講義、2日目午前、国立療養所松丘保養園入所者自治会 会長 佐藤 勝氏による「ハンセン病の歴史・ハンセン病を経験して」と題しての講話を踏まえて、ハンセン病問題と人権教育を教材化するための演習を行いました。
  

【受講者の感想】

・「ハンセン病患者について我々が知らないこと自体が問題」という言葉が印象的であった。政府が文明国を目指し、政策でハンセン病患者を隠そうとしていたため、関心を抱かなかったし、差別が隠されていた。また現代においてもハンセン病の差別がやまないことに驚いている。本当にハンセン病を含め、マイノリティを恥じることのない社会を創っていきたい。

・実際にハンセン病患者だった佐藤勝さんの話は、強く心に届くものだった。療養所が青森市の身近な場所にあることすら知らなかった。また、今回の研修を終えて「療養所が存続している理由」こそ、日本にハンセン病への関する根強い差別と偏見があることを物語っていると感じた。らい予防法が廃案され、ハンセン病国賠訴訟でも国が敗訴したにもかかわらず、社会復帰できない方々が多い。そこには、これまでのハンセン病に関わる歴史が横たわっている。元ハンセン病患者が社会の中で生きていけなくなってしまったことこそが、問題を提起していると感じた。また、医療関係者の家族にも、コロナいじめや差別、偏見があることに佐藤さんは憤っていた。ご自身の講演活動を振り返り、やるせない思いになったことであろう。だからこそ、私たち教育者が草の根的に授業や教育に取り組んでいく必要がある。今回、佐藤さんの強い生き方、人間としての尊厳を求める姿勢に感動した。

B10 道徳教育推進教師研修講座

 6月22日(火)~23日(水)の2日間、道徳教育推進教師研修講座が開催されました。受講された先生方は、「道徳教育のコーディネーター」となるための視点と、「道徳の授業、各教科等での道徳のアドバイザー」となるための視点について理解を深め、自校の特色を生かした道徳教育に向けた実践力を磨くことができました

 2日目の午前は、文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 浅見 哲也氏のオンラインによる御講義が行われました。スクリーン越しの講義でしたが、豊富な事例を基に道徳教育全体について御教授いただきました。

  

【受講後の感想】

・道徳教育のコーディネーター、アドバイザーになるための心構えが今回できたと思います。この研修に参加する前は、推進教師として何から取り組むべきなのか悩んでいましたが、方向性が見えてきたように感じます。全教職員が協力して、道徳教育を進められるように、先頭に立って進めていきたいです。

・浅見先生からは、「全教育活動を通じて行う道徳教育」と「道徳教育の要となる道徳科の授業」についてなど、自分自身の中で分かっているようで曖昧だった部分等を分かりやすくお話ししていただき、大変勉強になりました。 特に、「教師としての指導の意図」を明確にすることが、授業のねらいから逸れていくことを防ぎ、子ども達が「深い学び」へ向かっていくのだと感じました。今後は、授業に対する私自身の指導の意図をより明確にし、子ども達の学びを深いものにできるよう、実践を重ねていきたいです。

・演習では、自校の弱点をもとに、道徳推進教師としてどんなアプローチができるのか考えることができました。 同じグループの先生方も小規模校で同じような状況だったので、アイディアや考え方を共有することができました。

C18 高等学校理科研修講座[物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎]

6月25日(金)、C18 高等学校理科研修講座[物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎]が開催されました。
「高等学校理科における基礎を付した科目や『科学と人間生活』において、必要な授業デザインや観察・実験の方法について研修し、専門としない分野を担当した際にも取り入れやすい授業実践について考えること」をねらいとした講座です。

午前:理科の見方・考え方を働かせる授業デザイン ~観察・実験やICTの活用を通して~
午後:観察・実験の方法(物理・化学・生物・地学の4分野から1つ選択)

○理科の見方・考え方を働かせる授業デザイン

  
 ↑ 午前の講義               ↑ タブレットを用いた演習

○観察・実験の方法

  
 ↑ 講義・実験の様子①         ↑ 講義・実験の様子②

受講者の感想
・ジャムボードやスライドなどを、共有をかけながらリアルタイムで作製する方法や流れを確認でき、参考になった。個々の作業と共同の作業の両方のメリットを生かすことができればより効果的だと思った。

・安価な素材や持ち運びしやすいものを組み合わせて、様々な実験装置を製作できることを知った。デジタル機器やタブレット端末、アプリなどと組み合わせて、授業に効果的に取り入れていきたいと思う。

  
【担当者から】
 講座運営にあたり、積極的に何かを吸収しようとする先生方の姿に我々も刺激を受けました。忙しい中、研修に参加していただきありがとうございました。また、来年の講座に向けて、「すぐに活用できる実験や演示のアイディア」を増やしていきたいと思います。

C27 芸術系教科の資質・能力を育む授業づくり講座

 623日(水)に表記講座が開催されました。

 中学校音楽科・美術科、高等学校美術科、特別支援学校音楽科の校種・科目等をこえた教員7名で、芸術科が育むべき資質・能力に関する新学習指導要領を踏まえた講義や題材構想と授業づくりの演習、模擬授業や発表を行いました。
 模擬授業では自分と対話しながら作品を形にしていく受講生の皆さんの姿が子どもたちの姿とも重なり、とても印象的でした。

  

【受講者の感想】

・解説を基に作成した指導案づくりでは、題材の目標の作成と指導のイメージとがぶれることなくスッキリとした指導案をつくることができました。また、評価規準について、指導と目標と評価を一体化する手順も大変参考になりました。

・授業をする上でどのような問いかけをすると資質・能力を育むことが出来るか具体例を挙げて説明してくださったので、是非、日ごろの授業に取り入れていきたいと思いました。

・模擬授業は、自分の授業の改善点を発見するいい機会になりました。また、他の先生方の授業からも学ぶことが多かったです。

D29 Netcommons活用講座

6月22日(火)、23日(水)標記講座が開催されました。11名の先生方が参加して、1日目はNetcommonsの環境構築からページの作成、各モジュールの挿入などの基本的な操作方法を、2日目は管理画面の操作方法やルーム作成、FTP転送について演習を行いました。
 受講された先生方は、Netcommonsの利点でもあるルームを活用した複数人での管理についてなど、校内のHP運用についての具体的なイメージを持つことができた様子でした。

  
【受講者の感想】
 ・Netcommonsは便利である一方、多くの人が使うには危険があると感じた。運用するための
  具体的な組織作りが必要だと感じた。
 ・学校で先生方にHPに新しい内容をアップしたので承認してくださいと言われたのがどういう
  ことなのかが理解できました。校内で連携しながら活用していきたいと思います。
 ・権限設定やモジュール作成に慣れたので、本校のHP更新や設定を確認して積極的に携わりた
  い。

C17 中学校理科実験講座

 6月22日(火)~23日(水)に9名の先生方が受講し,中学校理科実験講座が開催されました。講座の内容は以下の通りです。
 1日目 午前 講義   「理科授業改善の視点」
     午後 講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫(2学年1分野の内容)」
 2日目 午前 講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫(3学年2分野の内容)」
     午後 講義・実験「授業で使える観察・実験の工夫(1学年2分野の内容)」
 今年度の講座では,実験,観察において,ICTを活用する体験をし,意見交換しました。先生方のアイディアや工夫が多く出され,実際に体験することで実際の授業におけるICT活用のヒントを得ることができたようです。また,取り上げた実験教材に対する関心が高く,普段の実践にいかしたいというアンケート記述が多く寄せられました。
 
・実験については、どれも教師自身も楽しめるものが多く、授業実践する場合には熱心に作業に取り組む生徒の姿が目に浮かびます。教材のカタログに掲載されている商品は高価なものが多く、「試しに購入」ということもなかなか難しため、こういった身の回りにあるもので代用できる教材などが知れると、指導の幅が広がります。
・演習が多く、すぐに実践に使えそうなものばかりであったのでたいへん役に立った。 今は1学年をもっているので、地層のところを実践してみたいと思った。 来年度もできれば評価に関しての話を聞ければよいと思う。
・学習状況調査の結果も、どうしても担当学年でなければきちんと時間をとって分析する、ということが少ないので、最近の傾向や同じ年度の生徒を追ったデータなど、とても参考になりました。
・実験の方法だけでなく、全国調査や県学習状況調査、昨年度の入試問題など様々な結果から生徒の実態把握ができ、今後力を入れて押さえなければならない内容を確認することができた。 また、新学習指導要領の評価についても悩んでいたので、これからは単元の評価基準をしっかりと作成し、本校の生徒の評価に生かしていきたい。 今すぐに現場で生かせることを学ぶ事ができました。本当にありがとうございました。

C45 高等学校英語科言語活動実践講座

 6月15日(火)、16日(水)高等学校英語科言語活動実践講座が開催されました。1日目の午前は、弘前大学 助教 横山裕一郎 先生による「スピーキング活動の工夫と充実~はじめてのディベートとディスカッション~」と題しての講義、午後は、「スピーキングタスクと評価」と題しての講義・演習を行いました。
 2日目の午前は、「スピーキングテストの実施に向けて」、午後は「スピーキングテストの実際」と題しての演習・協議を行いました。
 受講された先生方は、ディスカッションやディベートを授業に取り入れるにあたって、不安や悩みを抱えながらも、演習・協議を通して理解を深められた様子でした。
 
【受講者の感想】
・内容や実施期間の工夫により、生徒の実態に合わせながらディスカッションやディベートに取り組めると感じた。
・新学習指導要領における言語活動の充実を図るために、ディベートやディスカッションを行う意義を考えることができた。
・スピーキング活動を実施する際、実践に注目しがちだが、事前準備や事後活動の重要性とその教育的効果を知ることができて大変勉強になった。
・指導に苦戦していたが、授業案について様々な学校の先生と意見を共有でき、多くの気づきがあった。
・「ディベートやディスカッションを通して、どのような力を生徒に身につけさせたいのか」がとても大切であるということが印象的だった。
・到達目標をしっかりと設定した上で、思考力・判断力・表現力を鍛えられるような言語活動を計画していこうと思った。

C42 小学校外国語・外国語活動研修講座

6月15日(火)に、小学校外国語・外国語活動研修講座を開催しました。午前は、単元全体を見通した指導計画の立て方や、歌やスモール・トークを取り入れた授業の進め方、評価などについて、模擬授業や演習等を通して学びました。また、午後は東京学芸大学 教授 粕谷 恭子 氏にオンラインで、講義・演習をしていただきました。言語習得の理論と、実際の子どもの学びを踏まえた指導の在り方について、具体的な事例を示しながらお話しいただき、今後の指導の参考になる多くの学びを得ることができました。

【講座の内容】
 講義・演習「外国語・外国語活動の授業づくり」
 講義・演習「外国語・外国語活動の指導の在り方」

  

【受講者の感想】
・模擬授業が大変参考になった。スモールトークの時に、実際にボールを投げたり、打ったり、体験と結びつける手法はすぐ授業で取り入れていきたい。 また、言語活動の進め方も、大変勉強になった。今後、必要感のある活動を考えていきたいと思った。
・評価について悩んでいたが、実際に評価方法や評価例を見せていただいたので、大変参考になった。授業としてだけの英語ではなく、子どもたちがこれから生活していく中で実際に使える英語が話せるような授業展開を目指して努力していきたい。
・粕谷先生の講義では、具体的な例を数多く提示してもらったので、「使う活動を設定して言葉を身に付けさせる」という指導の考え方のイメージをもつことができた。
・「外国語」は教科であり、子ども達に力を付け、中学校につながるような指導をしなくてはならないというお話を聞き、改めて身の引き締まる思いがした。ひし形の図で示された技能のとらえ方の例がとても分かりやすく、指導の順序性について理解できた。まず英語を繰り返し聞かせるところから始めようと思った。

D05 高等学校における道徳教育講座


614()、標記の講座が開催され、高等学校・特別支援学校高等部の先生方、合わせて59名が受講しました。

午前は、文部科学省初等中等教育局 教科調査官 飯塚秀彦 氏による「高等学校における道徳教育の推進」と題しての講義、午後は、「道徳教育の推進に向けて」の演習・協議を行いました。小・中学校と違い、教科としての道徳がない高等学校においてどのように道徳教育を進めて行けば良いのか理解を深められた様子でした。

  

【受講者の感想】

・高等学校での道徳教育は「在り方・生き方」の指導ということで、普段の実習や生徒会活
 動、部活動指導で行っていることなので今後も継続し、よく見直しを行い、少しずつ新し
 いことにも挑戦していきたい。

・カリキュラムの中に、「道徳教育」を入れ、つなげる工夫として、「年間指導計画の中に入
 れてもらうこと」や体験学習の事後学習の中に感想だけでなく、「話し合い」を入れること
 などが来年度に向けて生かせそうです。

・HR活動や各教科でどのように道徳教育を取り入れていくかの実践を研修することがで
  きた。我々教員が「身につけたい道徳性」を意識しながら教育活動を行うことにより、様々
  な場面で道徳教育を実践できることが分かった。

・学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の意義や道徳教育推進教師を中心に全教
 師による協力体制の充実につながる大変有意義な内容の研修会であった。より具体的
 な実践に結びつけるために道徳教育全体計画から高等学校における道徳教育「年間計
 画」の策定の仕方や実践事例について学ぶ機会があると嬉しい。
・大々的に新しいことを計画・実行するのではなく、現在行っている行事や取り組みに「ちょ
 い足し」をするという発想が、現実的で良かった。まずは校訓を改めて見返し、求める生
 徒像を教員間で共有して、生徒の実情や時宜にあった取り組みをしていきたい。